ネルヴァルの名刺(表面) 「エル・デスディシャド(不幸者)」  Gérard de Nerval « El Desdichado »

名刺の表

ネルヴァルは名刺を差し出し、最初はロマン主義詩人の姿を示した。しかし、途中から謎かけ遊びをし、同じように音楽に基づきながら、異次元の詩人であることを暗示する。そこに描かれたのは、不在の理想に向けてのメランコリックな渇望の詩人ではなく、地獄下りから生還し、生と死、現実と超現実を超えた神秘を歌うオルフェウスの末裔の姿である。

地獄下りと帰還が音楽によって可能になるとしたら、「エル・デスディシャド」の詩句が生み出す音楽も、オルフェウスの竪琴に乗せて歌われる価値のあるものといえるだろう。

しかし、ここではまだ神秘について十分に説明されてはいない。神秘は表だって言いたてるものではなく、秘すべきものなのだ。そこでネルヴァルは、名刺の裏側に、不思議な詩を書き付ける。

実際、名刺の裏側に記載された「アルテミス」は、神秘を詩の中心に据えた詩である。一般の人々には不可解であり、アレクサンドル・デュマにとっても同じことだっただろう。そこで、彼はその詩を「銃士」紙に掲載することはなかった。また、同時代の読者、後世の読者にとっても秘儀的な不思議さを持つものとして、魅惑すると同時に困惑もさせてきた。
そこには、何が描かれているのか。次の機会に、名刺をそっと裏返してみよう。

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