ジブリ・アニメの中の自然

ジブリの自然

宮崎駿監督は、「もののけ姫」のインタヴューの中で、ジブリの自然について次の様に述べている。

 スタジオジブリの作品の最大の特徴は、自然の描写の仕方なんです。登場するキャラクターに従属して、そこに舞台として自然があるのではなく、自然があって、その中に人間がいるという考え方をしているからなんです。
 それは世界が美しいと思っているからです。人間同士の関係だけが面白いんじゃなくて、世界全体、つまり風景そのもの、気候、時間、光線、植物、水、風、みんな美しいと思うから、出来るだけそれを自分たちの作品の中に取り込みたいと思って努力しているからだろうと思っています。

ジブリ作品の中で自然が美しく描かれる理由が、ここで正直に明かされている。
監督の考えは、人間対自然の対立があり、自然と対立するか、あるいは文明を悪として自然を保護すると考える、単純なエコロジー思想とは違っている。
人間が自然の中に生き、生命の気配を感じることで、自然を恐れ、敬う。ジブリの自然は、こうした人間が共生する自然である。そして、その自然は生命を宿し、美しい。

トトロの田舎の風景は、サンが住む新しい森がさらに姿を変えた自然の光景のように見える。

深い森から里山へ、里山から田園へ、自然の姿は変化する。しかし、それらは日本的な感性が常に感じ続けてきた内的な自然であり、たとえ死んでも再び生き返る生命を有している。

ジブリ・アニメの自然の美は、そうした日本の自然観を観客に伝える役割を立派に果たしている。


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