フロベール 『ボヴァリー夫人』冒頭 その1 Flaubert, Madame Bovary, incipit, 1/3

Le Proviseur nous fit signe de nous rasseoir ; puis, se tournant vers le maître d’études :
– Monsieur Roger, lui dit-il à demi-voix, voici un élève que je vous recommande, il entre en cinquième. Si son travail et sa conduite sont méritoires, il passera dans les grands, où l’appelle son âge.

校長先生は、ぼくたちに座るようにと合図をした。それから、復習を指導する先生の方に振り返り、小さな声で言った。
「ロジェさん、生徒を一人お願いします。2年に入ります。もし勉強も行動もよければ、4年生の方に入れるようにします。年齢的には上級生の方ですから。」

復習室の先生は、ロジェという名前を与えられる。それに対して新入生は「一人の生徒」のままである。フロベールはなかなか生徒の名前を明かさない。そのことを強調するために、先生が名前で呼ばれるのだろう。

第5学年(en cinquième)というのは、中学の2年生にあたる。次のパラグラスになると生徒は15歳くらいと明かされるので、4年生のクラスに入る年齢だろう。(中学collègeは4年制)
このエピソードは、新入生と彼がいる場との関係を示すためのもの。
年齢に相応しいクラスに入れられるのはなく、下のクラスに入れられる。そのズレは、個人と社会のズレが拡大する19世紀的時代性と対応している。

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Google フォト

Google アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

%s と連携中