風の谷のナウシカ 交感する力

四大元素の世界

交感する力は、具体的には次の様な行動によって示される。
風を読み、風に乗る。
オームたちと心を通わせる。
もっと言えば、自然を調和して行動する力ということになる。

では、そうした交感力の源泉は何だろう。

それを明らかにするためには、「風の谷のナウシカ」が四大元素の世界観に基づいていることから確認する必要がある。
四大元素論というのは、古代ギリシアから続く思想で、世界(人間も含む)は四つの元素から成り立っているというもの。
万物の根源とは、火、風(空気)、水、大地。
これらの元素は消滅することがなく、様々に組み合わさることで自然界に変化が生まれると考えられる。
https://ja.wikipedia.org/wiki/四元素

火は、「風の谷のナウシカ」の中では、常に攻撃、破壊の役割を担っている。
その象徴が巨神兵。
その怪物は1000年前、全世界を7日間で焼き尽くしたとされる。


トルメキア軍の兵を率いるクシャナは憎悪の塊だが、彼女の属性は火そのもの。彼女は火を使い、森を焼き払うことが世界を再生することだという考えに取り憑かれている。

水は、浄化の役割を担う。
腐海の底には清浄な水があり、きれいな水に育てられた植物は毒を発生しない。
風の谷と腐海を隔てるのも、清浄な水をたたえるサンの海である。

大地は、汚れた存在とされている。
巨大産業文明が「火の7日間」よって崩壊し、その結果、大地は毒を発散する腐海でおおわれた。
この状態から世界を再生するために、クシャナは、腐海を焼き払い、大地をよみがえらせることを目的として、ペジテから巨神兵を奪った。
その一方で、ナウシカは、植物たちが大地の毒を体内で結晶化させ、きれいな砂と水に変えていることを発見する。
腐海の最深部の湖は、青き清浄の地。そして、その植物を守っているのが、オームたちなのだ。
このように見てくると、オームは大地に属し、正常化と破壊の二面性を持っていることがわかる
大地を火によって支配するのか、水によって浄化するのか、その違いがクシャナとナウシカの違いに他ならない。

以上の3つの元素に基づきながら、もっとも重要な役割を果たすのが、空気(風)である
ナウシカは、水の重要性にもかかわらず、水の精ではなく、空気の精。風の谷の王家の娘なのだ。

風の谷は、ペジテやトルメキアとは違い、腐海の近くにある小さな村で、腐海の毒から風の力によって守られている。風が止まれば瘴気によって人々も木々も死んでしまう。
宮崎監督の言葉によれば、風の谷の人々は、自然の中で微妙な調和を取りながら生きている。
王であるジルも、長老たちも少しづつ毒に冒され、徐々に死んでいく定め。無理に逆らうことはせず、運命を受け入れ、その中で自分たちの生を営む。
王の娘ナウシカの仕事は、守り神である風を味方に付け、腐海の毒から村人たちを保護し、平穏な暮らしを続けることだといえる。
その役割を映像的に示すのが、メーヴェに乗って颯爽と風に乗って飛ぶナウシカの姿である。

以上のように、「風の谷のナウシカ」は、火、水、地、空気という四大元素が組み合わされている。
その中で、風(空気)は、調和する力として、ナウシカによって体現される。

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