
ジョルジュ・サンドは、『コンシュエロ』の中で、18世紀のイタリア音楽を3つの角度から取り上げている。
宗教音楽としては、マルチェロの賛美歌、第18番。
世俗音楽の中で、テクニックが優先される例としては、ガルッピの「悪魔のような女」のアリア。
主人公コンシュエロの音楽的才能を発揮させる例としては、ヨンメッリの「捨てられたディド」。
youtubeでそれらの曲をたどっていくと、サンドの案内で18世紀イタリア音楽に入門するような感じがする。
マルチェロ(B. Marcello)の賛美歌18番 I cieli immense narranoに関しては、サンドの回りにいる音楽家達とベルリオーズの間に対立があったらしい。「幻想交響曲」の作曲家ベルリオーズには、マルチェロの賛美歌はテクニックが買っていると感じられた。それに対して、サンドは、高い宗教性を擁護している。
サンドがテクニック過多と非難するのは、ガルッピ(Galuppi)の「悪魔のような女(La Diavolessa)」。
高い音楽性を持つコンシュエロは、親しんだ宗教音楽だけではなく、こうした曲も見事に歌いこなす。
ピエトロ・メタスタージオ(Pietro Metastasio)の台本による「捨てられたディド(Didon abandonné)」は数多くの作曲家によって曲を付けられたが、サンドが取り上げるのは、ニコロ・ヨンメッリ(Niccolò Jommelli)のアリア。