レナード・コーエン 「ハレルヤ」を聴く

ずいぶん以前のことになるが、モンマルトルの丘の上で、偶然「ハレルヤ(Hallelujah)」という曲を聴いた。路上パフォーマンスなのだが、ずっと心の中に残る演奏だった。

その後、テレビの番組で、カウンター・テナーの歌声が素晴らしいフィリップ・ジャルスキーが歌うのを耳にし、再び心を打たれた。

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ボヴァリー夫人の音楽 ダヴィッド・カデゥシュのピアノ・ソロ

フロベールの『ボヴァリー夫人』では音楽が話題になることはあまりないが、ダヴィッド・カドゥシュ(David Kadouch)は、主人公エンマが聞いたかもしれない曲を空想し、ピアノ・ソロのCD「ボヴァリー夫人の音楽(Les musiques de Madame Bovary)」を制作した。

カドゥシュは自らの意図をこんな風に記している。
« J’ai voulu imaginer la musique qu’Emma Bovary aurait pu écouter pendant sa courte vie, en invoquant les femmes compositrices souvent oubliées de l’époque de Flaubert. Avec cette question en suspens : le destin, le suicide d’Emma Bovary aurait-il pu être évité, si ces créatrices avaient eu la gloire qu’elles méritaient ? » 

この言葉からも推測できるように、CDの中では、ショパンやリストに並んで、あまり名前の知られていない女性の作曲家たち —— ファニー・メンデルスゾーン、ポリーヌ・ヴィアルド、ルイーズ・ファランク、クララ・シューマン —— の曲が取り上げられている。

19世紀後半に活躍した芸術家たち ー 同じ年に生まれて

私たちが芸術作品や文学作品に触れるとき、普段はあまり画家や作家の生まれた年齢を考えることはないのだが、実は作品にとってかなり大きな要素になっている。
というのも、同じ世代に属していると、一つの時代の雰囲気の中で育ち、同じような教育を受けているからである。
小澤征爾と大江健三郎の対談集『同じ年に生まれて』に倣って、19世紀後半に活動の中心が位置する芸術家や作家たちを、出生年順に列挙してみよう。

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スティング 「ロシア人」 Sting «Russians» The Russians love their children too.

スティングが、ウクライナ支援のために、1985年に発表した« Russians »をインスタグラムにアップしたというニュースが流れている。
https://www.musiclifeclub.com/news/20220308_05.html

« Russians »は、1980年代の米ソの冷戦時、核戦争で世界が破壊される前に、両国ともに「人道的な感情」を取り戻して欲しいという内容のもの。
英語の歌詞と日本語の訳がついたビデオで聞いて見ると、スティングの思いが伝わってくる。

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Charles Aznavour «La Bohême» シャルル・アズナヴール 「ラ・ボエーム」

Charles Aznavourの« La Bohême »は、日本のシャンソン歌手にとりわけ好まれ、日本でも数多く取り上げられてきた。
2022年の北京オリンピックのフィギュア・スケートで、ネイサン・チェン(Nathan Chen)のショートプログラムの演技を見ていたら、« La Bohême »がバックに流れていて、しかも ネイサン・チェンの手の動きがアズナヴールの手の動きを思わせる部分があり、ちょっとびっくり!

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Céline Dion « Pour que tu m’aimes encore » セリーヌ・ディオン 「愛をふたたび」 (If that’s what it takes)

セリーヌ・ディオンは映画「タイタニック」の主題歌« My Heart Will Go On »で知られるように、圧倒的な声量と卓越した歌唱力が評価されている。
しかし、1995年にフランス語で発表した« D’eux »というアルバムでは、ジャン・ジャック・ゴルドマンから楽曲の提供を受け、言葉を大切にした歌い方を心掛けたという。« Pour que tu m’aimes encore »はそうした歌の一つ。

フランス語学習の面からだと、Pour queの後ろの動詞は接続法が来るので、Il faut que tu saches, je veux que tu saches等と共に、接続法を自然に覚えるために訳に立つ。
また、直説法単純未来形も数多く使われ、語尾のRの音が耳に残り、未来形を音で認識できるようになるだろう。

Pour que tu m’aimes encore あなたが私をもう一度愛してくれるように

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Zaz « Je veux » ザズ 「私の欲しいもの」

ザズの« Je veux »に関しては、色々なサイトで試訳が試みられているので、あえてもう一つ付け加える必要もないほどなのだが、ここで取り上げるのには一つの理由がある。

それは、日本人が英語やフランス語の音を習得する時に問題になることを、はっきりと意識させてくれる素材だからである。

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Jacques Brel « Ne me quitte pas » ジャック・ブレル 「行かないで」

フランス語の歌で、世界的に最も知られている曲は、たぶんジャック・ブレル(Jacques Brel)の« Ne me quitte pas »だろう。フランスだけではなく、英語、ドイツ語、イタリア語、アラビア語、ヘブライ語、チェコ語、ポーランド語など、様々な言語で歌われているとフランス語版のWikipediaに書かれている。また、Wikipediaの日本語版にも出てくるし、日本語訳で歌われることもあり、ネット上では対訳が幾つか掲載されてもいる。

« Ne me quitte pas »は、バルバラの« Dis, quand reviendras-tu ? »と同じように、構文が簡単で単語を覚えるのに役に立つ。そこで、文章と単語が自然に頭に残るようにするために、参考につける日本語は、他の歌の場合と同じように、できるかぎりフランス語の構文と対応させていく。

Ne me quitte pas (quitter「別れる、去る、捨てる」tu quittesの命令形はquitte. 語尾のsが取れる。)
ぼくと別れないで(行かないで)

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Barbara « Dis, quand reviendras-tu ? » バルバラ 「いつ戻ってくるの?」

バルバラは、言葉を大切にして語り掛けるように歌った歌手で、« Dis, quand reviendras-tu ?» は今でもフランスで大変に人気がある。

フランス語学習という点から見ると、単純未来形が多く使われ、語尾の« r »の音が自然に耳に残るし、簡単な構文の文が続くため、単語や熟語を覚えるためにも役に立つ。

Dis, quand reviendras-tu ?
ねえ、いつ戻ってくるの?

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Francis Cabrel « Je t’aimais, je t’aime, je t’aimerai » フランシス・カブレル 「お前を愛してきた 愛してる 愛していく」

フランシス・カブレルは、都会化していないフランスの心を持ち続けているシンガー・ソングライター。親しみやすいメロディーに乗った歌詞は詩的で美しい。

« Je t’aimais, je t’aime, je t’aimerai »は、第一義的には、自分の娘への愛を歌っているのだが、それを超えて、親の愛、より広い意味での人間の愛全体を歌っている。その歌詞はとても詩的で、メロディーが美しい。

題名の中のaimerの活用が半過去、現在、単純未来で、フランス語学習者には退屈な活用が、こんな風に使われるという生きた例になる。

Je t’aimais, je t’aime, je t’aimerai  お前を愛してきた、愛してる、愛していく

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