カーメン・マクレエ ジャズ・クラブの雰囲気

カーメン・マクレエの「グレイト・アメリカン・ソングブック」は、いかにもジャズ・クラブという雰囲気を十分に味わわせてくれる。
録音は1972年、ロサンジェルスのジャズ・クラブ「ドンテズ」。

最初は「サテン・ドール」。チャック・ドマニコのベースとマクレエのヴォーカルのデュオが素晴らしい。

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フランツ・リスト 「コンソレーション」Nº. 3

リストの「コンソレーション(慰め)」第3番は、この上もなく穏やかで優しい曲。いつ聞いても、心に安らぎを与えてくれる。

誰がピアノを弾いても美しいのだけれど、ここではホロビッツの演奏で聞いてみよう。

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詩は世界を美しくする  ネルヴァル ボードレール 村上春樹 ビリー・ホリデー

詩は世界を美しくする。

芸術家、詩人は、自分の世界観(ボードレールの言葉では「気質」tempérament)に従って、作品を生み出す。
私たちは、その作品に触れることで、芸術家の世界観に触れ、感性を磨いたり、彼等のものの見方、感じ方を身につけることができる。

詩においても、そのことを具体的に体験することができる。

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ニューヨークの秋 Autumn in New York

「ニューヨークの秋」は、ヴァーノン・デュークが1934年に作詞作曲し、ミュージカル« Thumbs up »の劇中歌として使われた。
その後、1949年にフランク・シナトラが歌ってヒットした。

いかにも秋を感じさせる曲で、多くのジャズマンが取り上げている。面白いのは、誰が取り上げてもあまり原曲のイメージを壊すことがなく、その分、歌や演奏自体の特徴がよくわかること。

シナトラの歌は、オーケストラをバックに、ゆったりとしている。ジャズというよりもポップス的な感じが強い。

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マルティーニ作曲「愛の喜び」 « Plaisir d’amour » de Martini

「愛の喜び」はジャン・ポール・マルティーニ(1741ー1816)の代表作。
彼はドイツ生まれだが、活躍したのはフランス。お墓は、パリのペール・ラシェーズ墓地にある。

Plaisir d’amour ne dure qu’un moment, 愛の喜びは一瞬しか続かない。
Chagrin d’amour dure toute la vie.  愛の悲しみは一生続く。

単純だけれど、素直に心に飛び込んでくるこの歌詞は、フロリアン(ジャン・ピエール・クラリス・ド、1755ー1794)の中編小説「セレスティンヌ」から取られた。

吉田秀和が『永遠の故郷 真昼』のために選んだのは、エリザベート・シュヴァルツコプスの歌うもの。

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ペルゴレージ 「サルヴェ・レジーナ」  ジョルジュ・サンドと音楽

ジョルジュ・サンドはショパンの恋人。リストたち多くの音楽家と友人でもあった。そうした環境の中で、素晴らしい音楽に触れ、センスを養っていったことだろう。
サンドの『コンシュエロ』は音楽小説という側面を持っている。主人公コンシュエロが最初に登場する場面では、幼い彼女にペルゴレージの「サルヴェ・レジーナ」を歌わせる。その後、知識があり、多くの経験をし、熱狂的な歌唱ではなく、無邪気な子どもの歌い方を称揚する。そこにサンドの音楽観が現れている。

18世紀ナポリ学派の作曲家ペルゴレージ。彼の「サルヴェ・レジーナ」へ短調を聞くと、その美しさに心を動かされる。
サンドに教えてもらった一曲。

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モンテヴェルディ 「オルフェオ」 Monteverdi « Orfeo » バロック・オペラの先駆け

Nicolas Poussin, L’Inspiration du poète

1607年に初演されたモンテヴェルディのオペラ「オルフェオ」。

モンテヴェルディは、オペラという形式の中で、音楽に劇的な表現を与え、ルネサンス音楽からバロック音楽への橋渡しをした。

物語は、ギリシア神話のオルフェウスの話に基づいている。

演奏は、レ・ザール・フロリッサン(Les Arts Florissants)。
ウィリアム・クリスティによって設立された古楽器オーケストラ及び合唱団。

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