日本的美の形成 室町時代から安土桃山時代

日本的な美には、平安時代に成立した壮麗で装飾的な美(やまと絵)と、室町時代に形作られた簡素な美(漢画)という二系統の美があり、それが室町時代の後期から安土桃山時代、江戸時代の初期にかけて、徐々に融合していった。

二系統の美については、フランスの作家で日本に外交官として滞在したポール・クローデルも、彼の優れた日本文化論の中で指摘している。
https://bohemegalante.com/2019/08/30/paul-claudel-et-la-beaute-japonaise/

やまと絵の装飾性と漢画(水墨画)の構図力を融合させた最初の例は、室町時代の画家、狩野元信の「四季花鳥図」などに見られる。

狩野元信 四季花鳥図
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和様式の美の形成 飛鳥時代から平安時代へ

日本の美と感じられる美が出来上がったのは、縄文、弥生、埴輪時代の後のことになる。6世紀半ばに仏教が伝来して以来、飛鳥時代から平安時代末期まで(538-1192)の約650年の間、大陸から移入された仏教美術が圧倒的な流れとなって押し寄せてきた。それは、寺院、彫刻、絵画、工芸品等、全てを含む総合芸術だった。
その受容を通して、飛鳥、白鳳、天平、貞観、藤原、院政まで、朝鮮、中国とは違う美が生まれた。万葉仮名から平仮名が作られ、和歌が生まれ、大和絵や絵巻物等が誕生したのだった。それと同じように、仏教芸術にも和のテーストが付け加えられていった。

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