第10章は、1855年1月26日のネルヴァルの死以前に発表された「オーレリア」(1855年1月1日)の最後の部分。
以前の夢と同じように、まず地球内部のマグマのように全てが融合した状態が知覚され、そこから徐々に明確な場面が形成されていく。
第10章

こうした考えが少しづつ私を絶望へと追い込んでいったのだが、その絶望をどのように描けばいいのだろうか? 悪い精霊が、魂の世界で、私の場所を奪ってしまったのだ。——— オーレリアにとって、その精霊が私そのものだった。そして、私の肉体に生命力を与えている悲壮な精霊の方は、衰弱し、軽蔑され、彼女から誤解され、絶望か虚無に永遠に運命付けられていた。私は持ちうる限りの意志の力を使い、これまで何枚かのヴェールを持ち挙げてきた神秘の中に、さらに入り込もうとした。夢は時に私の努力を揶揄することがあり、しかめ面で移ろいやすい映像だけしかもたらさなかった。私はここで、精神が一点に凝集したために起こったことに関して、かなり奇妙な考えしか提示することができない。長さが無限のピンと張られた一本の糸のようなものの上を滑っていくように感じた。地球は、すでに見てきたように、融解した金属の多色の脈が縦横に走っていたが、中心の火が徐々に開花することで少しづつ明るくなり、火の白さが内部の襞を染める桃色と溶け合っていった。時に、巨大な水たまりに出会いびっくりすることがあった。その水たまりは、雲のように空中にぶら下がりっていたが、しかし、塊を取り出すことができるほどの密度があった。明らかに地上の水とは異なる液体であり、精霊の世界における海や大河を形作る液体が蒸発したものだった。
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