2021年は、1821年生まれたのギュスターヴ・フロベールの生誕200年の年だった。そこで数多くの催しが開催されたが、一つのテレビ番組の中で、『ボヴァリー夫人』の文章の音楽的な美しさを感じるために俳優が抜粋を朗読し、ピアニストがショパンの「 夜想曲 第20番 嬰ハ短調 遺作」 を演奏する場面があった。
こうした例は、フランスでは、詩だけではなく、小説においても、文章の音楽性が重要であることを示している。
ショパン
メンデルスゾーン、ショパンの「舟歌」とヴェルレーヌのこの上なく美しい詩

ヴェルレーヌが1874年に出版した詩集『言葉なき恋愛(Romances sans paroles)』は、メンデルスゾーンのピアノ曲集『言葉なき恋愛(Lieder ohne Worte)』に由来すると言われている。

メンデルスゾーンのピアノ曲集には、「ベニスのゴンドラ乗りの歌」と題された曲が3つ入っている。
同じように、ベルレーヌの詩集にも舟歌がある。
「クリメーヌに」。
「神秘的な舟歌(Mystiques barcarolles)」という詩句で始められる。

作曲家と詩人を繋ぐものとして、もう一つの舟歌があるかもしれない。
それが、ショパン晩年の曲「舟歌」。フランス語の曲名は、Barcarolle。
ヴェルレーヌが、« Mystiques barcarolles »綴ったとき、メンデルスゾーンだけではなく、ショパンの曲も心に思い描き、二人の舟歌が詩人の内部で鳴り響いていただろう。
そうして出来上がった詩「クリメーヌに」は、ヴェルレーヌの中でも、最も美しい。
続きを読むスタイリッシュなショパン「練習曲」 Alessandro Deljavan joue ‘Études’ de Chopin
アレッサンドロ・デリャヴァン(Alessandro Deljavan)は、1987年生まれのイタリア人ピアニスト。
https://alessandrodeljavan3.welltempered.com/biography/
彼が演奏するショパンの「練習曲集」は、スタイリッシュで、とても現代的。
リリカルかつ情熱的なショパンを聞き慣れている耳には、とても新鮮に聞こえる。
フランツ・リスト 「コンソレーション」Nº. 3

リストの「コンソレーション(慰め)」第3番は、この上もなく穏やかで優しい曲。いつ聞いても、心に安らぎを与えてくれる。
誰がピアノを弾いても美しいのだけれど、ここではホロビッツの演奏で聞いてみよう。
ペール・ラシェーズ墓地 Cimetière du Père Lachaise
日本では考えられないが、パリに住む人々は散歩の場所に墓地を選ぶことがある。多くの有名人の墓があるペール・ラシェーズ墓地はその代表。

この墓地はとても気持ちのいい散歩道になっていて、しかも巨大。春や秋、天気のいい日にのんびりとした時間を過ごすことができる。