アンドレ・ブルトン シュルレアリスム宣言  André Breton Manifeste du surréalisme

シュルレアリスム(surréalisme)という言葉は、sur(上)とréalisme(現実主義)から成り、現実を超えたもの、つまり「超現実」を指し示す。
日本では、ダリ、エルンスト、マグリットなどの絵画を通して馴染み深いかもしれない。

20世紀前半最大の芸術思潮といえるシュルレアリスムを主導したのがアンドレ・ブルトン(André Breton)であり、1924年に発表された『シュルレアリスム宣言(Manifeste du surréalisme)』がその運動の開始を告げた。

1896年にノルマンディー地方に生まれたアンドレ・ブルトンは、大学で医学と心理学を学ぶと同時に、ボードレール、マラルメ、ランボーの詩に親しみ、ポール・ヴァレリーと知り合うなどした。
第1次大戦が始まると、最初は歩兵隊に動員され、次にナントの精神病院に配属になり、戦争の惨禍のために精神を病んだ患者たちの治療にあった。そこで、ジグムント・フロイトの精神分析学を学び、狂気の中に創造の可能性を見るようになる。
そうした経験が、『シュルレアリスム宣言』の精神的な基盤を形作った。

その宣言の中から、フロイトの精神分析的思考をブルトンがどのように応用したのかという部分と、シュルレアリスムの用語に関する部分を読んでいこう。

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