日本語 主語と抽象性

日本語の文章では、主語は必ずしも必要とされない。そのことを示す最も有名な例は、川端康成の『雪国』の冒頭の一節だろう。

国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。

国境を越えたのが誰なのか、何なのか、わからない。しかし日本語としては十分に理解可能だし、美しい。

他方、英語やフランス語に訳す場合、どうしても主語をはっきりさせないと文章を構成することができない。主語、動詞、そして多くの場合目的語があって初めて文章が成立する。

この違いはどこからくるのだろうか。

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