浦島物語 奈良時代 神仙思想

浦島太郎の話は、私たちが親しんでいる昔話としては、最も古いものの一つ。
奈良時代に編纂された『日本書紀』や『万葉集』の中で、すでに原形となる物語が語られている。
ところが、奈良時代の物語では、亀を助ける話はなく、浦島が向かう先は仙人の住む理想郷だとされている。

平安時代になると、浦島が向かった先での出来事が詳しく語られる。
室町時代から江戸時代前期には、亀を助けた話が語られ始める。他方、地上に戻った浦島を待つのは老いや死ではなく、鶴への変身。
明治時代になり、教科書に採用され、亀の恩返し、竜宮城、乙姫等、私たちがよく知る物語として定着した。

こうした約800年に渡る浦島物語の変遷を辿るために、まず奈良時代における浦島の物語が何を伝えようとしているのか見ていこう。

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