ポール・セザンヌ 色で持続する生命を捉えた画家

セザンヌはしばしば「近代絵画の父」と呼ばれ、フランス絵画の歴史の中で重要な位置を占めている。

しかし、サント・ヴィクトワール山のような風景画、リンゴなどを描いた静物画、肖像画、自然の中で多数の人間が水浴をする場面を描いた集合水浴図など、様々なジャンルのどの絵を見ても、最初はあまり美しいと思えないし、なにか不自然な感じが残る。

セザンヌが偉大な画家だと言われても、どこがいいのかよくわからない。ところが、彼の絵画の見方を学ぶにつれて、その素晴らしさが感じられるようになってくる。

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ボードレール ドラクロワ 絵画論 1846年のサロン

「1846年のサロン」の中で、ボードレールはドラクロワについて論じながら、彼自身の絵画論の全体像を提示した。

その絵画論は、ドラクロワの絵画を理解するために有益であるだけではなく、ボードレールの詩を理解する上でも重要な指針が含まれている。

1)芸術についての考え方:インスピレーションか技術か
2)作品の構想と実現:自然(対象)との関係
3)作品の効果

ボードレールは、ドラクロワの絵画に基づきながら、以上の3点について論じていく。

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バルザック 知られざる傑作 Honoré de Balzac, Le Chef-d’œuvre inconnu 芸術論 3/5

「エジプトの聖女マリア」に、解剖学的な正確さはあるが生命感が欠けている、というフレノフェールの指摘に対して、ポルビュスとプッサンは反論しようとする。

— Mais pourquoi, mon cher maître ? dit respectueusement Porbus au vieillard tandis que le jeune homme avait peine à réprimer une forte envie de le battre.

ーー でも、どうしてですか、ポルビュスが老人に尋ねた。一方、若者は、老人に反論したいという強い気持ちを抑えるのに苦労していた。

しかし、フレノフェールは二人にほとんど口を挟ませず、すぐに自分の説を再び展開する。

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