ラ・フォンテーヌ 「樫と葦」 La Fontaine « Le Chêne et le Roseau » 自信と知恵

ラ・フォンテーヌの寓話の中でも、「樫と葦(Le Chêne et le Roseau)」は最高傑作の一つと言われている。
樫は、その姿通り、堂々とした話し方をし、自信に満ちあふれている。
それに対して、葦は、柔軟な考え方を、慎ましやかだけれど、少し皮肉を込めた話し方で表現する。


ラ・フォンテーヌと同じ17世紀の思想家パスカルは、「人間は葦である。自然の中で最も弱い存在だ。しかし、考える葦である。(L’homme n’est qu’un roseau, le plus faible de la nature; mais c’est un roseau pensant.)」と言った。
自分の弱さを知ることが人間の偉大さだと、パスカルは考えたのである。

では、ラ・フォンテーヌは、葦を主人公にしたイソップ寓話を語り直しながら、何を伝えているのだろうか。

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