女性の背中を描いた二枚の絵がある。


どちらがエドガー・ドガで、どちらがアンリ・トゥールーズ=ロートレックだとわかるだろうか?
ちょうど30歳の年齢の違いはあるが、二人の画家は、19世紀後半にあって、印象派と象徴主義という二つの大きな絵画の流れの中で、独自の世界を構築した。
彼らは、室内の人工的な光の下で、女性たちの肉体の動きを描き出すことによって、人間の生の感情を表出することに成功した。
ここでは、二人の画家の世界に一歩だけ足を踏み入れてみよう。
女性の背中を描いた二枚の絵がある。
どちらがエドガー・ドガで、どちらがアンリ・トゥールーズ=ロートレックだとわかるだろうか?
ちょうど30歳の年齢の違いはあるが、二人の画家は、19世紀後半にあって、印象派と象徴主義という二つの大きな絵画の流れの中で、独自の世界を構築した。
彼らは、室内の人工的な光の下で、女性たちの肉体の動きを描き出すことによって、人間の生の感情を表出することに成功した。
ここでは、二人の画家の世界に一歩だけ足を踏み入れてみよう。
19世紀後半のヨーロッパでは芸術観が大きく転換し、理想的な美を理想的な姿で描き出す伝統が下火になる。
その動きと対応するように、現実そのものを対象とする芸術観が生まれ始め、戸外で自然の風景を描く、印象派の画家達の活動が活発になった。
しかし、他方では、印象派とは対極に位置する流派も生まれた。その一つが象徴主義的絵画である。
日本で最もよく知られているのは、オーストリアの画家、ギュスターブ・クリムトだろう。
フランスの画家では、ギュスターブ・モローがよく知られている。
こうした象徴主義絵画は何を対象し、どのような絵画表現を目指したのだろうか。
続きを読むオディロン・ルドンは1840年に生まれ、19世紀の後半から20世紀の前半にかけて活動した画家。
彼の絵画は、平面的で単純化された物の形を、幻想的で神秘的な線や色彩で描き出し、暗示的、象徴的な雰囲気を漂わせている。
彼の絵画の中で、とりわけ面白いのが目をテーマにしたもの。
普通、目は現実のものを見る。しかし、ルドンの目は、見えないものが見えるようだ。