ターナーとコンスタブル イギリスで最も人気のある2枚の絵画 「戦艦テメレール号(The Fighting Téméraire)」 「乾草車(The Hay Wain)」 

イギリスで最も人気のある絵画は、ターナーの「解体されるために最後の停泊地に曳かれてゆく戦艦テメレール号(The Fighting Téméraire tugged to her last Berth to be broken)」。2番目はコンスタブルの「乾草車(The Hay Wain)」だという。

The National Galleryの提供している解説を聞くと、コンスタブルやターナーが、ドラクロワから印象派へと続くフランス絵画にも影響を与えていることの意味がわかってくる。

ヴェルレーヌ 「ヴァルクール」  Verlaine « Walcourt » 印象派的

『言葉なきロマンス』に「ベルギーの風景」という章があり、その最初に置かれているのが「ヴァルクール」。

1872年、ヴェルレーヌはマチルドとの新婚生活を捨て、ランボーと共にベルギーに向かう汽車に乗り込んだ。

ブリュッセルに着く前に、彼等はヴァルクールという町を通りかかる。その時、詩人は幸福感に満ちあふれていたのだろう。
「ヴァルクール」には、いつもの物憂い悲しみなど、どこにも感じられない。屈託がなく、浮き浮きとした心が、そのまま表現されている。

その感情の動きが、印象派の絵画の手法と同調するかのように、小さなタッチで、素早く描かれている。

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19世紀フランスの風景画 Le paysage au 19e siècle

自然の景色が描いてあれば、実際の風景を写生したものと思ってしまうことが多い。しかし、現実の風景画が描かれるようになったのは、19世紀のことだった。

18世紀の後半にユベール・ロベールが描いたイタリア・ティボリにあるヴェスタの神殿と滝の絵。雄大な滝を中心にした自然の光景に見える。

Hubert Robert, temple de Vesta à Tivoli
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