マリー・ローランサン(Marie Laurencin)の「鎮静剤(Le Calmant)」。
フランス語を聞きながら、掘口大學の訳を読んでいくと、それ以上の説明が何もいらない、といった感じさえする。
映像は、西島秀俊がペール・ラシェーズ墓地を歩いている場面。
掘口大學とマリー・ローランサンとの恋愛の足跡を追って、雑誌記者の西島がパリを中心にブルッセルやマドリードも訪れるといった趣向のドラマ「堀口大學 遠き恋人に関する調査」から。
Marie Laurencin « Le Calmant »
Plus qu’ennuyée Triste.
Plus que triste Malheureuse.
Plus que malheureuse Souffrante.
Plus que souffrante Abandonnée.
Plus qu’abandonnée Seule au monde.
Plus que seule au monde Exilée.
Plus qu’exilée Morte.
Plus que morte Oubliée.
マリー・ローランサン、堀口大學訳「鎮静剤」
退屈な女より もっと哀れなのは 悲しい女です。
悲しい女より もっと哀れなのは 不幸な女です。
不幸な女より もっと哀れなのは 病気の女です。
病気の女より もっと哀れなのは 捨てられた女です。
捨てられた女より もっと哀れなのは よるべない女です。
よるべない女より もっと哀れなのは 追われた女です。
追われた女より もっと哀れなのは 死んだ女です。
死んだ女より もっと哀れなのは 忘れられた女です。