日本人は、死後の世界をどんなふうに考えてきたのだろうか。


柳田国男は『先祖の話』の中で、次のように書いている。
第一に、死んだ後は、一人一人が別々の霊魂として存在するのではなく、ご先祖様全員の霊魂が一つの塊となっていると考えていたらしい。
以前の日本人の先祖に対する考え方は、(中略)、人は亡くなってある年限を過ぎると、それから後は先祖さま、またはみたま様という一つの尊い霊体に、融け込んでしまうものとしていたようである。

第二に、「みたま様」は、あの世に去るのではなく、ずっとこの世の近く、家族の側にいると考えていたらしい。
日本人の死後の観念、すなわち霊は永久にこの国土のうちに留まって、そう遠方へは行ってしまわないという信仰が、おそらくは世の始めから、少なくとも今日まで、かなり根強くまだ持ち続けられているということである。
私たちがお墓参りをして、ご先祖様の霊に手を合わせるのは、霊が安らかに眠ってほしいという願いもあるが、もう一つには、家族を見守り、幸せに暮らせるように守ってほしいという気持ちも含まれている。
それは、こうした日本人が古来から持ってきた信仰に由来しているのだろう。
すると、ふとこんな疑問が浮かんでくる。
自分が死に、お葬式をしてもらった後で、成仏して、極楽浄土に行くことはないのだろうか?
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