地球の環境保護と貧困撲滅のために世界の団結を訴えるグローバル・シチズンの24時間チャリティ・ライブコンサート「Global Citizen Live」(グローバル・シチズン・ライブ)が、ニューヨークのセントラル・パーク🇺🇸、ロサンゼルス🇺🇸、ロンドン🇬🇧、パリ🇫🇷、リオデジャネイロ🇧🇷、シドニー🇦🇺、ラゴス🇳🇬、ソウル🇰🇷で、2021年9月25日に開催された。
その様子を紹介するビデオ。
Month: 9月 2021
アフガニスタン・バーミヤン渓谷 破壊された大仏跡の現状
前のタリバン政権が最初に国際的な批判を浴びたのは、世界遺産に指定されていたバーミヤンの仏教遺跡、中でも高さ53メートルの巨大な大仏を破壊したことだった。
2021年、タリバンが再びアフガニスタンを支配する中、バーミアンの現状がどのようになっているのかを知らせるルポルタージュは大変に興味深い。
ジャズの楽しさ インプロヴィゼーションとリズム感
一口にジャズといっても様々な様式があり、一つのジャンルにまとめるのが難しい。しかし、一つだけ共通の要素があるとしたら、インプロヴィゼーションだといえる。
一つのメロディーあるいは楽譜があるとして、それに基づきながら、その時その場のインスピレーションに従って、即興的に音楽を生み出していく。
そうしたインプロヴィゼーションの楽しさを実感させる映像と出会ったので、ぜひ紹介したい。
演奏しているのは、ジャズ・ピアニスト上原ひとみ。
K-Popの流行
世界中でK-Popが流行しているが、フランスも例外ではない。色々な町で、K-Popのダンス教室もできている。
La déferlante K-Pop
Leur musique envahit tous les quartiers de Lyon. De la place des Terreaux à la colline de Fourvière, les fans de K-Pop s’emparent tout.
続きを読む日本語の音楽を聴く
音のない言葉を考えることはできない。
声に出して話したり読んだりする時だけではなく、頭の中で何かを考える時にも音があり、それらの音の繋がるリズムを感じている。
日本語を母語とする者にとっては、5/7を基本とするリズムがごく自然に心地よく感じられる。
ひさかたの 光のどけき 春の日に 静心(しづごころ)なく 花の散るらむ(紀友則)
私の上に 降る雪は/真綿(まわた)のやうで ありました(中原中也)
これらの言葉の魅力は、意味だけではなく、口調の良さによってももたらされている。
言葉たちが音楽を奏で、私たちはその音楽に耳を傾けて、うっとりするといってもいいだろう。
ラプソディ・イン・ブルー 村上春樹の解説で、大西順子のピアノと小澤征爾が指揮するサイトウ・キネン・オーケストラの演奏を聴く
ジャズ・ピアニスト大西順子と、小澤征爾が指揮するサイトウ・キネン・オーケストラのライブがyoutubeにアップされている。まずは、2013年9月6日に松本で行われた、その演奏に耳を傾けてみよう。
ジャズとクラシックの融合したこの演奏が好きか嫌いかは別にして、ここで何が起こっているのか理解するためには、少なくとも私程度のリスナーだと、誰かに解説してもらう必要がある。
実は、この演奏を知ったのも村上春樹の『小澤征爾さんと、音楽について話をする』の最後に収録された雑誌記事なので、村上に教えてもらうことにしよう。
ネルヴァル シルヴィ 言葉の音楽性を体感する
ジェラール・ド・ネルヴァルは、1853年に「シルヴィ」を執筆している時、友人に宛てた手紙の中で、「ぼくは真珠しすぎる(je perle trop)」と書いている。
「真珠しすぎる」?
どういう意味だろう。
お菓子に関して言えば、真珠の形をしたアーモンド菓子を作ること。裁縫では、刺繍などを完璧に仕上げること。音楽では、テンポや一連の装飾音を完璧にするという意味になる。
ネルヴァルはその動詞を文体にも適用し、「シルヴィ」を書きながら、文章を凝りすぎていると感じていたのだろう。そのために、なかなか終わらなくて焦っていたふしもある。
実際、普段のネルヴァルの文章と比較して、「シルヴィ」には非常に美しく、ポエジーを感じさせる文が多くある。
私たちが外国語を学ぶとき、意味の理解に精一杯で、文の美しさを感じることができるとはなかなか思えない。理解するために思わず日本語に変換してしまうことも多く、原語の持つ音楽性を感じることができずにいる。
しかし、それではあまりにももったいない。
せっかく原語で読むのであれば、言葉たちが奏でる音楽に耳を傾け、少しでもいいので「美」を感じられたら、どんなに幸せなことだろう。
小説を形作る言葉の音楽性が何よりも重要だと、村上春樹が小澤征爾との対談で述べている。(村上春樹『小澤征爾さんと、音楽について話をする』)
僕は文章を書く方法というか、書き方みたいなのは誰にも教わらなかったし、とくに勉強もしていません。何から学んだかというと、音楽から学んだんです。それで、いちばん何が大事かっていうと、リズムですよね。文章にリズムがないと、そんなものは誰も読まないんです。
続きを読むエッフェル塔とシャイオ宮の間の綱渡り
エッフェル塔とシャイオ宮の間にわずか2.5センチの綱を張り、その上を歩く!映像を見ているだけでドキドキしてしまう。
La traversée de Paris sur un fil
Sentir l’air, le vent, les premières ondulations. La peur du vide est toujours là, dans ses premiers gestes.
Face-à-face depuis longtemps, la Tour Eiffel et le palais de Chaillot ont été réuni ce samedi 18 septembre 2021 le temps d’une promenade en l’air.
狂女たちの舞踏会(Le Bal des Folles) メラニー・ロラン監督と原作者ヴィクトリア・マスのインタヴュー
アマゾンプライムで公開された「狂女たちの舞踏会(Le Bal des Folles)」は、19世紀後半、精神病院に入院させられた女性たちをテーマにした作品。
監督のメラニー・ロランと、原作となった小説の作者ヴィクトリア・マスのインタヴュー。
12分からは、ジュリエット・アルマネットとビラール・アサニという二人の歌手を加えた4人のPlaylist.
ジェラール・ド・ネルヴァル 「シルヴィ」 Gérard de Nerval, Sylvie エルムノンヴィルにて
ジェラール・ド・ネルヴァルの代表作の一つ「シルヴィ」の中で、主人公の「私」は、パリの劇場の舞台に姿を現す女優に夢中になり、そこから連想の糸に導かれて、幼い頃を過ごしたパリ北方に位置するヴァロワ地方で出会ったアドリエンヌやシリヴィのことを思い出す。
その小説の中では、パリとヴァロワ地方、現在と過去が巧みに組み合わせられ、最終的には、全てが「私」から失われる物語が展開する。
ここでは、9章「エルムノンヴィル」を取り上げ、ネルヴァルが、現実に存在する風景をかなり忠実に再現しながら、どのような言葉を紡いで現実に厚みを付け加え、彼の文学世界を構成していくのか、その過程を見ていこう。
パリから馬車でヴァロワ地方に戻った「私」は、お祭りで踊っているシルヴィと再会し、翌日も彼女に会いに行こうとする。
Plein des idées tristes / qu’amenait ce retour tardif / en des lieux si aimés,/ je sentis le besoin /de revoir Sylvie /, seule figure / vivante / et jeune encore / qui me rattachât à ce pays. / Je repris la route de Loisy. / C’était au milieu du jour ;/ tout le monde dormait, / fatigué de la fête. Il me vint l’idée / de me distraire / par une promenade à Ermenonville, / distant / d’une lieue / par le chemin de la forêt. / C’était par un beau temps d’été. /
私はとても悲しい気持ちに満たされていた。こんなに時間が経ってから、大好きだった所に戻って来たためだった。シルヴィにもう一度会う必要があると感じた。彼女だけが、生き生きとし、今も若々しい姿をしていて、私をこの地方に結び付けているのだ。私は再びロワジー(注:シルヴィの住む村)への道を歩き始めた。真昼だった。誰もがまだ眠っていた。お祭りで疲れていたのだ。ある考えが頭に浮かんだ。エルムノンヴィルを散策すれば、気晴らしになるだろう。エルムノンヴィルは、森の道を通って、4キロほど先にある。夏らしい素晴らしい天気だった。