
ヴィクトル・ユゴーの « Sara la baigneuse »(水浴びをするサラ)は、その題名を耳にしただけで、心地よい音楽性を感じさせる。
その秘密は、口を大きく開いて発声される開放的な音 [a] が三度繰り返されることにある。「サララ」という軽やかな響きと、[a] の反復が生み出すリズムが、その心地よさを支えている。
そして、題名が予告する音楽性は、114行から成る詩全体を通して少しも裏切られることがない。[a] を中心とする音の反復と、7音節と3音節から成る詩句の構成とが、見事な音の織物を織り上げているのだ。
そのことは、7/3/7 // 7/3/7 のリズムに乗せて第一詩節を声に出して読むだけで、すぐに感じ取ることができるだろう。
Sara, belle d’indolence, サラは、物憂げで美しく、
Se balance 揺れている、
Dans un hamac, au-dessus ハンモックの中、
Du bassin d’une fontaine 泉の水盤の上で、
Toute pleine いっぱいに満たされた、
D’eau puisée à l’Ilyssus ; イリッソスで汲まれた水で。
この短い詩節の中に、フランス詩法のテクニックがぎっしりと詰まっているので、少し細かく見ていこう。
(参考:フランス語の詩を読むために)










