
ステファン・マラルメ(1842-1898)はフランス詩を代表する詩人たちの一人と見なされ、彼の後に続く文学や芸術に大きな影響を及ぼした。とりわけ、20世紀になり、批評が詩や小説と同じほどの重要性を担うようになった時、批評が最初に参照するのはマラルメの詩や散文だった。
その一方で、マラルメが生きている時代から、彼の詩は難解であり理解困難なものと見なされた。実際、芝居の原稿が上演を拒否されたことがあった。また、苦労して執筆した詩が、当時を代表する詩集の編集者から、「こんなものを掲載したら笑い物になる」と批難されたという逸話もある。
その二つの矛盾する評価は、マラルメを理解する上での第一歩になる。というのも、彼が作り出した新しい詩的言語は、彼の著作への接近を妨げると同時に、その本質的な価値を伝えるものでもあるからだ。
「なぜ理解が困難なのか?」と問いかけ、その回答を探ることが、20世紀以降の芸術観の根本的な原理を教えてくれることになる。



