ペロー童話の面白さ 1/2

シャルル・ペロー(1628-1703)は17世紀後半に活躍した文人で、彼らが生きるルイ14世の時代は古代の偉大な時代よりも優れていると主張した。

古代から近代への移行を「進歩」と見なすこうした考えの下、ギリシア・ローマ時代の物語よりフランスに伝わる昔話の方が優れているという説を展開し、昔話集を出版したと考えられている。
こうした理由で生まれたペローの童話集は、児童文学の誕生という観点から見ると、決定的な重要性を持っている。昔話が子どものために語られる話であるという考えが、最初の一歩を踏み出したのである。

ここではペローの物語集を17世紀という時代とは切り離し、児童文学というジャンルに属する作品として、その特質を明らかにしていくことにする。

キャラクター化

ペローが昔話に対して持っている感覚はとても確かなものだった。実際、数限りなくある昔話から彼が取り上げたのはわずか11の物語であるが、そのほとんどが今でもよく知られている。残存率がこれほど高いのは、ペローの物語集をおいて他にないだろう。

「眠れる森の美女」「赤ずきんちゃん」「青ひげ」「サンドリヨン(シンデレラ)」「長靴をはいた猫」「親指小僧」「巻き毛のリケ」「妖精」「ろばの皮」「グリゼリディス」「おろかな願い事」(最後の三つは韻文)。この中で、知らない話は二つか三つだけではないだろうか。

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