ジブリアニメ 「おもひでぽろぽろ」と芭蕉の山寺

「おもひでぽろぽろ」の最後、タエ子が山形から東京に戻る電車の中で、小さい頃からの思い出がぽろぽろと蘇ってくる。そのため彼女は電車を降り、逆方向の電車に乗り換える。
そのバックには、都はるみの歌うエンディング・テーマ「愛は花、君はその種子」が流れている。(原曲は「ローズ」の主題歌でベット・ミドラーが歌う「The Rose」。)

何気なく見ていると見落としてしまうのだが、タエ子が電車を乗り換える駅には「やまでら」という看板が見える。(1分23秒くらいから。)

「やまでら」?
どこかで聞いたことのある駅名ではないか。

そう、松尾芭蕉の『奥の細道』で、「静かさや 岩にしみ入る 蝉の声」という有名な句が詠われた、あの立石寺のある駅だ。
山寺 立石寺 芭蕉 おくのほそ道 佳景寂寞として心澄みゆく

少し調べてみると、「おもひでぽろぽろ」の中で紅花を摘む場面のモデルになったのは、山形市高瀬地区だという。山寺から車で10分ほどのところにある。

こんな小さなところにも高畑勲監督の細心の注意が払われていることがわかると、アニメでありながら実写以上に現実感を感じさせる「おもひでぽろぽろ」のリアリティに納得する。
(アニメの解説:おもひでぽろぽろ 思い出と向き合う


Bette Midlerの歌う”The Rose”。

 ” The Rose”は手嶌葵のレパートリーにも入っている。

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