人類の起源、日本に住む人々の起源を、ゲノムを通して解明する研究について、非常に興味深いビデオ。
篠田謙一の純粋に科学的な視点は、学問の進歩がエキサイティングな知的好奇心を掻き立てるものだということを教えてくれると同時に、日本人の起源に関する奇妙な先入観を取り除いてくれる。
Month: 12月 2024
日本の歴史 超私的概観 (4) 鎌倉時代から江戸時代へ (その1)

平安時代の後半、平家や源氏といった武士団が勢力を拡大し、源平の合戦を経て、12世紀後半になると源頼朝が鎌倉に幕府を開くまでに至った。
その後、江戸幕府が崩壊する1868年までの約700年間、武士階級が政治の支配権を握ることになる。
その間、天皇家を中心とした貴族たちは京都に留まり、名目上は天皇が国家を支配し、武家の棟梁は征夷大将軍といった称号で朝廷に仕えるといった政治体制が取られた。
政権は鎌倉幕府から室町幕府、信長や秀吉の時代を経て江戸幕府へと移行したのだが、形式上は朝廷と武家による権力の二重構造が継続されたのだった。
その一方で、時代と共に農民や商人といった庶民の勢力が拡大し、文化の担い手は、京都の宮廷や寺院だけではなく、武士階級へ、そして一般の民衆へと広がっていった。
平安時代の公家文化が、鎌倉時代に入ると禅の影響を強く反映した武士の文化を生みだし、最終的には江戸時代の町人文化の中で成熟したといってもいいだろう。
私たちが現在日本の伝統と見なすものは、こうした歴史の流れの中で徐々に生み出されて来たものに他ならない。
ここではまず最初に、鎌倉時代と室町時代を通して、平安時代から何が変化し、何が新たに産み出されたのか、見ていくことにする。
続きを読むヴィクトル・ユゴー 「橋」 Victor Hugo Le Pont 深淵での祈り La prière dans l’abîme
2024年12月7日、パリ・ノートルダム大聖堂再開の式典が行われた。
その式典の中で、ヴィクウトル・ユゴー(Victor Hugo)の「橋」(Le Pont)が、ヨーヨー・マ(Yo-Yo Ma)のチェロ演奏をバックに、女優マリオン・コティヤール(Marion Cotillard)によって朗読された。
「橋」は、ユゴーが1856年に発表した「静観詩集(Les Contemplations)」の第六部「無限の縁で(Au bord de l’Infini)」の冒頭に置かれた詩。
深淵(L’abîme)の闇(les ténèbres)に包まれた人間が、その中でも神(Dieu)をおぼろげに目にし、祈り(la prière)を捧げるといった内容を詠っている。