愚痴にしかならないので、現在の世界状況について何かを語ることは、できるだけ避けている。しかし、アメリカ合衆国がイスラエルに先導される形でイランの最高指導者を殺害し、なお攻撃を続けているのに対して、いわゆる国際社会の反応を見ていると、思わず「いつまで西部劇が続くのか」と考えてしまう。
西部劇といえば、アメリカ西部の未開拓地を舞台に、白人の開拓者たちが先住民である野蛮なインディアンの襲撃を受けながら、フロンティア精神を発揮して勇敢に活躍する物語である。1970年代以降になると、さすがに、開拓者が正義を体現しインディアンは残虐な襲撃者であるという単純な二元論的世界観は、少なくとも表向きには見られなくなったように思われる。
しかし、現実の世界を眺めていると、依然として、西欧文明の価値観が正義であり、それに反対する勢力は悪であるという二元論が続いているとしか思えない。
そして日本人は、明治維新以降、その二元論をほとんど疑うことなく受け入れてきた。文明開化、すなわち欧米化を進めるなかで、その世界観の内部に自分たちを位置づけることを当然のこととしてきたように見える。
私は今、自分たちの信じる正義のためであれば、そして自衛という名を与えさえすれば、戦争を許してしまう世界観に疑問を感じている。西部劇の中で、大群で襲ってくるインディアンたちを撃ち倒していくヒーローの姿を、私たちは娯楽として見てきた。しかし、現実の世界でもまた、似た構図のもとで多くの人々が殺されているのを見るにつけ、そろそろ西部劇も終わってほしいと思うようになってしまった。
続きを読む








