個人的な感想になるが、とりわけ2000年を過ぎた頃から、古典とか過去の名作が顧みられなくなってしまったように思われる。
文学的な古典作品、フランス文学で言えば、フロベールやバルザックを読もうとしないし、手に取ったとしても読めないという若者が多い。
新しく高校で国語を教え始めた先生が、夏目漱石の小説を抜粋以外で読んだことがない、つまり一冊を通して読んでことがない、という例まで耳にしたことがある。

こうしたことは文学に限ったことではなく、映画でも同じこと。
映画好きだと自称する若者でも、小津安二郎の名前を知らなかったり、「東京物語」や黒沢の「7人の侍」さえ見たことがないという。