
日本の文化は、古墳時代から江戸末期まで、大陸文化の圧倒的な影響の下にあった。文藝にしても、建築、彫刻、絵画といった視覚表現にしても、モデルとなる理想像は常に大陸にあった。
それが変化したのは、明治維新以降、ヨーロッパのモデルが移入されてから。
それ以前は、6世紀半ばの仏教伝来から数えるだけでも、約1300年の間、日本の目指すべき高度な文化と見なされたものは、大陸文化だった。
そこで注目したいことは、大陸から移入された文化はほぼ完全に日本化され、日本文化の本質を形成する主要成分になっていることである。
ヨーロッパ文化が輸入されてからすでに150年以上経つが、日本文化に完全に溶け込んだとは言えず、舶来品の印がついていることが多い。(ただし、洋服や住居はかなり溶け込んでいるといえる。)
大陸文化が日本で受容され、日本文化の一部と見なされている例を幾つか見ていこう。
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