
第4詩節に進むと、大変に意外な展開が待っている。
ここでは、ユダが姿を現す。
ユダはイエスを裏切り、イエスは捕らえられ、十字架に架けられる。ユダと聞けば裏切り者と誰もが連想する。
ところが、ネルヴァルの描くユダは「目覚めた者」。
彼の裏切りは、イエスが自分を敵に売り渡すようにユダを強いたからだとされる。
そこにはどんな理由があり、ネルヴァルは何を考え、キリスト教の教義と反する展開にしたのだろう?
IV
Nul n’entendait gémir l’éternelle victime,
Livrant au monde en vain tout son cœur épanché ;
Mais prêt à défaillir et sans force penché,
Il appela le seul – éveillé dans Solyme :
IV
誰一人、この永遠の犠牲者がうめくのを耳にしてはいなかった。
心の内を人々に打ち明けたが、無駄だった。
気を失いうようになり、力なく体を前にかがめ、
主は「たった一人の男」に声を掛けた、— エルサレムでただ一人目を覚ます者に。










