(2)シュルレアリスムの精神 — 理性のコントロールを廃止する
A. ギヨーム・アポリネールの新造語、シュルレアリスム

「シュルレアリスム」という用語はギヨーム・アポリネールによって考え出された新造語だとされている。
アポリネールがその言葉を最初に使ったのは、1917年に上演されたロシア・バレエの『パラード』のパンフレットの中で、「シュル・レアリスム(sur-réalisme)」とは「新しい精神(エスプリ・ヌヴォー)」を体現する芸術作品の出発点となるものであり、伝統的な芸術や生活習慣を根底から変化させるものとされた。
翌年、アポリネールは自身が執筆した演劇「ティレジアスの乳房」に「シュルレアリスム演劇」という副題を付け、その序文の中で具体的な例を提示した。
人間は、歩行を模倣しようと望んだ時、車輪を作り出した。その車輪は足とは似るところがない。人間はそんな風にして、知らぬ間に、シュルレアリスムを実践したのだった。
(アポリネール「ティレジアスの乳房」の序文)







