本質的なものは目に見えない(サン=テグジュペリ)? 存在は本質に先立つ(サルトル)? 二つの世界観と絵画の表現

1910年に描かれた2枚の絵がある。

これほど違う世界観を表現している絵画が同じ年に描かれたことに、驚かないだろうか。
一方には、モンマルトルの街角が再現されている。この場所に行けば、今でもそれとわかるだろう。
もう一方は、何が描かれているのかまったく分からない。ギタリストという題名を見て人間やギターの姿を探しても、立方体の塊しか見えない。モデルになった人と出会っても、認識することは不可能である。

この対照的な2枚の絵画を参照しながら、サルトルとサン=テグジュペリによって示された二つの世界観について考えてみよう。
L’essentiel est invisible pour les yeux. (本質的なものは目に見えない。)
L’existence précède l’essence. (存在は本質に先立つ。)

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