アポリネール 「ミラボー橋」の美を探る Guillaume Apollinaire « Le Pont Mirabeau »

ギヨーム・アポリネールの「ミラボー橋」« Le Pont Mirabeau »(1913)は、作者であるアポリネールと恋人のマリー・ローランサンの恋愛感情が消え去っていく哀しみを、セーヌ河の流れに例えて歌った恋愛詩として、今でもよく知られている。

この詩のベースにあるのは、人間の思いにもかかわらず、時は流れ去ってしまい、二度と戻って来ないというテーマ。(La fuite du temps)

そのテーマの中で、16世紀のロンサールはCarpe Diem(今をつかめ)という意識から美を生みだし、19世紀のラマルティーヌは過去に対するメランコリックなあこがれから美を生み出した。
では、20世紀初頭のアポリネールは、どのように美を作り出したのだろうか。

続きを読む