虫めづる姫君 風の谷のナウシカの祖先?

平安時代後期に成立したと考えられている『堤中納言物語』に「虫めづる姫君」という短編物語が含まれている。

誰もが蝶や花を愛する中で、主人公の姫君は毛虫や気味の悪い昆虫を愛している。そのために、親からも、求婚者となりうる男からも、お付きの侍女たちからも、変な娘とみられている。

しかし、そんなことは一向に気にせず、平安時代の宮廷風俗を一切受け入れない。彼女には彼女の理屈があり、それを曲げようとはしない。

ジブリ・アニメに出てくる風の谷のナウシカは、この虫めづる姫君をモデルの一人にしている。実際、彼女はオウムの子どもを大切にし、誰もが恐れる毒のある花をこっそりと栽培している。

現代のような個性を重視する時代ではなく、社会的な規範がとりわけ重視された時代に、蝶ではなく、毛虫を愛する姫君の物語が、何を主張しているのだろう。

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風の谷のナウシカ 交感する力

「風の谷のナウシカ」は、「火の7日間」という大戦争によって巨大文明が滅んだ後、1000年後に世界が行き着いた姿を描いている。

地上は猛毒を撒き散らす「腐海」が侵食し、オームが僅かに残る都市や谷の村を襲うこともある。風の谷の隣国ペジテや西方の軍事国家トルメキアでは、今でも覇権を争い、最終兵器「巨神兵」を奪い合ったりしている。

風の谷の少女ナウシカは、そうした強大な敵を前にして、一体何をしようとし、何ができるのだろうか。
メーヴェに乗り、空を飛び回る姿はすがすがしいが、戦うための武器は持たず、無力さに打ちひしがれることもある。

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