条件法は難しい?

英語の仮定法を難しいと感じるだろうか?
もし難しいと思ったことがあるとしたら、その理由は、日本語と英語のコンセプトの違いを理解していなかったということにつきる。
もし、ifを用いた文が仮定法だと思い込んでいるようなら、全く理解していないことになる。

フランス語の条件法は、英語の仮定法と同じコンセプトに基づいているので、英語さえマスターしていれば、全く問題ない。
しかし、英語の仮定法がわかっていないとしたら、フランス語の条件法にトライする時、日本語とのコンセプトの違いを知っておく必要がある。

日本語とフランス語・英語で何が違うのか?

条件法は、事実に反することとか、非現実の仮定の結論について述べる、と説明される。実際その説明は正しいが、日本語と大きな違いがあるため、なぜ日本人にとって分かりにくいと感じられるのか、はっきりしない。

日本語では、ある事柄を仮定する場合、それが現実のことであるのか、単なる仮定なのか、考えていないことが多い。というか、それをはっきりさせないし、受信者もそのことを問題にしない。

それが本当ならびっくりする。

日本語では、本当にびっくりすると思っているのか、びっくりするわけがないと思っているのか、明確にはわからない。言い換えると、「それ」というのが実際に起こっていることなのか、現実に反することと話者が思っているのか、はっきりしない。

フランス語では、話者がその事態を現実と考えているのか、現実ではないと考えているのか、意識して表現が選択される。

1. Ça m’étonne.

2. Ça m’étonnerait.

1の文の動詞は、直説法現在。
この文の話者は、実際にびっくりするか、びっくりする可能性があると思っていることがわかる。

2の文の動詞は、条件法現在。
話者は自分が驚くことはないと思っていることが、はっきりと伝わる。本当とは思わないけれど、本当だったら驚くという気持ちが表現される。

日本語では現実性を問わない。
フランス語や英語では現実かどうかが明確。
非現実の仮定という説明だけからでは、その違いがはっきりしない。そのことが、日本人にとって、仮定法、条件法がわからないと感じられる原因となっている。

条件法は時制なのか?

条件法には現在と過去があり、単純形で作られる現在は現在の時間帯に置かれ、複合形で作られる過去は、過去の時間帯に行かれる。
二つの活用が時間軸上に置かれるという意味では、条件法は時制といえる。

しかし、条件法は時間の問題以上に、話者が事態に対してどのように考え、感じているかを表現する法だと考える必要がある。条件法を使うとしたら、気持ちを伝えることが主な目的だといえる。

条件法の活用を考えてみると、そのことがよくわかる。
条件法現在の場合、語幹は単純未来、語尾は半過去。(単純形)
条件法過去の場合には、avoir, êtreを条件法現在にし、過去分詞を付ける。(複合形)
時間帯を表す場合には、語尾が半過去であることから、二つとも過去の時間帯にに属し、過去における未来、過去における未来完了となる。
(「フランス語の時制体系 その1」の3「過去の時間帯の時制」
https://bohemegalante.com/2019/05/17/systeme-temps-verbe-francais-1/#more-2192

完了(過去の今)完了未来
J’avais chanté
大過去
Je chantais
半過去
J’aurais chanté
過去未来完了
(条件法過去)
Je chanterais
過去未来
(条件法現在)

条件法の複合形(avoir+pp.)が完了として機能していることからも、過去未来や過去未来完了が、時制としての働きをしていることがわかる。

同じ形をしていながら、条件法としての使用では、ある事象に対する話者の気持ち、思いを表現する。

Je voudrais réserver un vol pour Paris.

パリへの飛行を予約したいです。

je voudraisの条件法は、語気緩和、丁寧な表現になる。
直接的に・・・したいと言うのではなく、可能でないかもしれないけれど、可能であればという気持ちを出すことで、遠慮が示されるからである。

if, siの罠

仮定法、条件法を学ぶとき、最初に、英語であればif、フランス語であればsiで始まる文が提示される。いつも、「もし・・・ならば」という条件が出され、その後で帰結文が出てくる。そのために、if やsi が仮定法、条件法の印だと勘違いされることが多い。

If I were a millionaire, I would buy this house.

Si j’étais un millionnaire, je voudrais acheter cette maison.

しかし、ifやsiは条件法にとって不可欠な要素ではない。

Son père serait français.
彼の父親はフランス人らしい。(推測)

J’aurais dû faire ça.
それをしておくべきだった。(後悔)

Sans votre aide, je n’aurais pas terminé ce travail.
助けていただかなったら、その仕事は終わりまでできませんでした。(できたのは、あなたのおかげです。)

映画、« Intouchables» のセリフ

PHILIPPE : Sinon, vous pensez que vous seriez quand même capable de travailler ? 
フィリップ:この仕事はできると思いますか?

引用:https://www.france-jp.net/01cours/04bunpo/25.html

こうした例でわかるように、仮定法、条件法は、if, siと連動していないし、条件が明示されないことも多い。

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