たった一つの名演奏があれば、他の演奏はいらなくなってしまう、そんな名演があるMy one and only love.
その名演とは、ジョン・コルトレーンのテナー・サックスに乗せて、ジョニー・ハートマンが歌ったもの。
これがあれば、後は全部捨ててしまってもいい。。。と思えるほど。
The very thought of you makes my heart sing
Like an April breeze on the wings of spring
And you appear in all your splendor
My one and only loveThe shadows fall and spread their mystic charms
In the hush of night while you’re in my arms
I feel your lips so warm and tender
My one and only loveThe touch of your hand is like heaven
https://genius.com/John-coltrane-my-one-and-only-love-lyrics
A heaven that I’ve never known
The blush on your cheek whenever I speak
Tells me that you are my own
You fill my eager heart with such desire
Every kiss you give sets my soul on fire
I give myself in sweet surrender
My one and only love
作曲はイギリス出身のガイ・ウッドで、最初は、ジャック・ローレンスが詞をつけたが、ヒットしなかった。その後、ロバート・メリンが新しい歌詞を付け、フランク・シナトラが歌ったら大ヒット。スタンダート曲になったという。
確かに、シナトラの歌は魅力的で、ハートマンに劣らない。でも、コルトレーンのサックスは、こちらにはない。
とても魅力的な曲なので、多くの歌手が歌っている。
エラ・フィッツジェラルドも、サラ・ヴォーンも、カーメン・マクレーも。
最近では、ソフィー・ミルマンやハリー・ローレンといった女性歌手。
男性では、チェット・ベーカー。いつもの調子で、ベーカー節を披露している。
ジャズシンガーだけではく、ポール・マッカートニー、スティング、ボブ・ディランまで登場。
どの演奏もYoutubeにアップされているので、聞くことができる。
でも、コルトレーンとハートマンを聞いてしまうと、後は、それぞれの歌手の個性を楽しむだけ。一番酔わせてくれるのは、やはりこの二人になってしまう。
たまには別の演奏をという時には、オスカー・ピーターソンのピアノ・トリオでの演奏がお薦め。アルバム”We get requests”の演奏はとても気持ちがいい。
全然違う雰囲気のピアノを楽しみたければ、チック・コリアのものがある。悪くないし、変化があって楽しい。
コルトレーンと違うサックスを聞くなら、ベン・ウエブスターが、ピアニスト・アート・テイタムとやっているもの。
ソニー・ロリンズもちょっと聞いてみよう。朗々とした明るいサックスだけれど、ちょっと凸凹した、たった一つの愛。想いが素直に届かないのでは、と思ってしまう。
オスカー・ピーターソンのピアノに、ステファン・グラッペリのヴァイオリンのデュエットの演奏。歌詞のイメージがとてもよく出ている。