フランス語講座 シャルル・ノディエ 「1時あるいは幻影」 Charles Nodier « Une Heure ou la Vision » 1/4

19世紀前半の作家シャルル・ノディエの短編小説「1時あるいは幻影」(Une Heure ou la Vision)をフランス語で読み、語学力、読解力のアップを目指すための講座。

フランス語力向上のコツは、
フランス語の語順のまま、意味のブロック毎に前から理解すること。

ぼくは苦々しい思いに満ちた心を抱いていた。

J’avais le cœur plein d’amertume.

1)日本語では、動詞は文の最後に置かれることが多い。
フランス語では、主語と動詞が強く結び付いているために、主語のすぐ後ろに置かれる。

ぼくは・・・抱いていた。
J’avais …

2)形容される語と形容する語の関係は、日本語とフランス語で逆。
日本語では、形容する語が前に置かれ、最後に形容される語が置かれる。
フランス語では、形容される語が前で、形容詞や関係代名詞の文は後ろに続く。

苦々しい思いに満ちた/心
le cœur / plein d’amertume

フランス語の語順のまま理解することは、耳から聞こえてきたフランス語をそのまま理解することにもつながる。

Charles Nodier, « Une Heure ou la Vision »

J’avais le cœur plein d’amertume, et je cherchais la solitude et la nuit. Ma promenade ne s’étendait guère au-delà des jardins de Chaillot, et je ne la commençais ordinairement qu’après que onze heures du soir étaient sonnées.

1)
J’avais / le cœur / plein d’amertume, / et je cherchais / la solitude / et / la nuit.

Jeを主語にした二つの文は、主語+動詞+目的語の構文。

j’avais : 持っていた。avaisはavoirの半過去形。
半過去形は、主人公であるjeの状況を表す。

le cœur / pleine d’/ amertume
心/・・・で満ちた/苦々しい思い

J’avais le cœur (私は心を持っていた。)/ plein d’amertume (その心は苦々しい思い出満ちていた。)と理解すると、フランス語の語順で理解することになる。

et :そして

je cherchais :探していた。chercherの半過去形で状況を表している。

探していたのは、la solitude (孤独)et (と)、la nuit(夜)。

je cherchais (ぼくは探していた。)/ la solitude(孤独を) / et(そして) / la nuit(夜を)。 

2)
Ma promenade ne s’étendait guère / au-delà des jardins de Chaillot,

Ma promenade (私の散策)が主語、動詞は、s’étendait (伸びる)。動詞のs’étendaitは半過去。散歩の状況を示している。

Ne … guère :ほとんど・・・ない。

au-delà de :・・・の向こう

jardins de Chaillot :シャイヨ宮の庭https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%82%A4%E3%83%A8%E5%AE%AE

Ma promenade ne s’étendait guère (私の散策はめったに広がることはなかった。)au-delà des jardins de Chaillot (シャイオ宮の庭園の向こうまで)。

3)
et je ne la commençais ordinairement qu’après que onze heures du soir étaient sonnées.

je ne la commençais ; 私はそれを始めなかった。
構文は、主語(je)+動詞(commençais)+目的語(la)。
代名詞 la は、名詞ma promenadeの代用。
動詞commençaisは半過去。散策の開始を状況として描いている。
単純過去je commençaとすれば、散歩を始めたという行為を示すことになる。

ordinairement:普通は、普段は :状況を示す副詞

qu’après … : queは、動詞の前のne と連動する。ne … que :
ne の後で、pas, guère, point等がない場合には、否定が確定していないように感じられる。
そして、queが出てくると、ne の否定の意味が消え、・・・したのは、que以下だけと、限定的な条件が示される。

私は散策を始めたのは、que 夜の11時が告げられた後だけ。

après que 文 :・・・の後

onze heures :11時

sonner :鐘の音で告げる。
onze heures étaient sonnées : être sonnéは受身。étaientは半過去形。
11時が、鐘の音で告げられたという状況を示す。

et je ne la commençais (私は散歩を始めなかった) /  ordinairement (普段は)/ qu’après que onze heures du soir étaient sonnées(11時が鐘の音で告げられた後でなければ)。
⇒ 私が散歩を始めるのは、普通、11時の鐘の音が鳴った後だけだった。

最後に、全文を前から読み、日本語を介さずに、理解できるかどうか試してみよう。

J’avais le cœur / plein d’amertume, et je cherchais la solitude et la nuit.

Ma promenade ne s’étendait guère / au-delà des jardins de Chaillot,

et je ne la commençais ordinairement / qu’après que onze heures du soir étaient sonnées.

単語の復習

動詞:avoir, chercher, s’étendre, commencer, sonner
名詞:le cœur, l’amertume, la solitude, la nuit, la promenade, le jardin, onze heures, le soir
否定表現:ne… guère, ne… que
その他:plein de, au-delà de, ordinairement, après que

文法の復習

半過去の用法:動詞が半過去に置かれている場合、その動詞は状況を表す。そこで、半過去を使い、物語の背景となる状態を描き出している。

これまで読んだ文章の動詞は全て半過去:j’avais, je cherchais, ma promenade ne s’étendait guère, je ne la commençais … que….
従って、情景が描かれているだけで、まだ物語は始まっていない。

動詞の時制については、以下を参照。
https://bohemegalante.com/2019/05/17/systeme-temps-verbe-francais-1/

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