日本語には面白い特色があるが、その中のあるものは、人間関係に影響を及ぼし、会話の中身そのものに直接かかわっている。
様々な場所で、人の噂話をしたり、芸能人ネタや恋バナで盛り上がり、時間を忘れるほどになる。
仲の良い友だちの間なら、人の悪口もいいネタになったりする。
もちろん、こうした話題はどんな言語でも話されるに違いない。
しかし、日本語には、こうした話題をすることで、ある目的を達しやすくする特色があるらしい。
『私家版 日本語文法』の著者、井上ひさしは、そうした特色を「自分定めと縄張りづくり」「ナカマとヨソモノ」と表現している。
結論を言ってしまえば、私たちがよくする会話は、ナカマ意識の確認と、もう一つ付け加えれば、自己愛の保証、その二つを暗黙の目的としているのではないかと考えられる。
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