モンマルトルの教会と言えばサクレ・クール寺院が直ぐに頭に浮かび、サン・ピエール教会はあまり有名とは言えない。しかし、ロマネスク様式の建築部分が色濃く残っており、パリに行ったらぜひ訪れてみたい教会の一つである。

モンマルトル(Montmartre)という名前は、Mont des Martyres(モン・デ・マルティール、殉教者の山)から来ている。
この場所は紀元3世紀までドルイド教の聖地だった。その地で、パリ最初のキリスト教司教、聖ディオニソス(サン・ドニ)と二人の司祭が首をはねられて殉教したと伝えられている。
伝説によれば、聖ディオニソスは、はねられた首を自分で持ち、パリの北数キロ離れた場所まで歩き、息絶えた。その場所が、現在のサン・ドニである。
サン・ピエール教会の中に置かれた首を持つ聖ディオニソスの像は、その伝説に基づいている。

教会の脇にはメロヴィング朝時代の墓地があり、入口の扉の彫刻を見ることができる。


教会の内部はロマネスク様式を基調とし、後の時代にゴシック様式に改築されたことがよくわかる。
二階部分の窓の部分は装飾的な要素がなく、窓の構造自体が美的要素になっている。ロマネスク様式の特色である。

それに対して、柱には、重心を支える構造の上に細い柱が装飾として付け加えられ、大きな窓にはステンドグラスがはめ込まれている。それらは、ゴシック様式の特色といえる。



各種の彫刻も一見の価値がある。


なぜかジャンヌ・ダルクの像も置かれている。

パイプオルガンの音もぜひ聞いてみたい。

https://fr.wikipedia.org/wiki/Église_Saint-Pierre_de_Montmartre