
フランスの文化がヨーロッパの中心を占め、最も輝いていたのは、ルイ14世の時代。その中でも、パリからヴェルサイユに王宮を移転させた17世紀後半から1715年の王の死までだろう。
その時代、ヴェルサイユのチャペルで音楽演奏を担っていた音楽家の一人が、ミシェル=リシャール・ド・ラランド(1657-1726)。
フランス・バロック音楽を代表する作曲家であるド・ラランドの曲を聴くと、ヴェルサイユ宮殿でルイ14世の主催する様々な催し物に立ち会っているような錯覚に襲われる。
1711年に作曲されたとされる小モテットLeçons de ténèbres(暗闇の日課)を、ヴェルサイユ宮殿の中にあるチャペルで聞くことができたら、どんなに素晴らしいだろう。
ここでは、イザベル・デロシェのソプラノで、Leçons de mercredi(水曜日の日課)を聞いてみよう。
冒頭がTe deum laudamus(われら神であるあなたを讃えん)で始まるために「テ・デウム」と呼ばれる聖歌。
フランスを代表する指揮者ウイリアム・クリスティに率いられたArts Florissantsの演奏。
ルイ14世の夕食に際して演奏された曲「王の夕食のためのシンフォニー」を、クリストフ・ルセが指揮するLes Talens Lyriquesの演奏で。