Jacques Brel « Ne me quitte pas » ジャック・ブレル 「行かないで」

フランス語の歌で、世界的に最も知られている曲は、たぶんジャック・ブレル(Jacques Brel)の« Ne me quitte pas »だろう。フランスだけではなく、英語、ドイツ語、イタリア語、アラビア語、ヘブライ語、チェコ語、ポーランド語など、様々な言語で歌われているとフランス語版のWikipediaに書かれている。また、Wikipediaの日本語版にも出てくるし、日本語訳で歌われることもあり、ネット上では対訳が幾つか掲載されてもいる。

« Ne me quitte pas »は、バルバラの« Dis, quand reviendras-tu ? »と同じように、構文が簡単で単語を覚えるのに役に立つ。そこで、文章と単語が自然に頭に残るようにするために、参考につける日本語は、他の歌の場合と同じように、できるかぎりフランス語の構文と対応させていく。

Ne me quitte pas (quitter「別れる、去る、捨てる」tu quittesの命令形はquitte. 語尾のsが取れる。)
ぼくと別れないで(行かないで)

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Barbara « Dis, quand reviendras-tu ? » バルバラ 「いつ戻ってくるの?」

バルバラは、言葉を大切にして語り掛けるように歌った歌手で、« Dis, quand reviendras-tu ?» は今でもフランスで大変に人気がある。

フランス語学習という点から見ると、単純未来形が多く使われ、語尾の« r »の音が自然に耳に残るし、簡単な構文の文が続くため、単語や熟語を覚えるためにも役に立つ。

Dis, quand reviendras-tu ?
ねえ、いつ戻ってくるの?

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Michel Sardou « Je vole » ミッシェル・サロドゥー 「飛び立ちます」

ミシェル・サルドゥーの« Je vole »は、親のもとから飛び立っていく子どもの心情を歌った曲。最初と最後は歌われ、中間は音楽に乗せた語りになっている。

2014年に公開された映画『エール(原題 La Famille Bélier)』の中では、ラストシーンで« Je vole»がルアンヌ(Louane)によっ歌われ、映画の大ヒットにつながった。
こちらで、セリフの部分が歌詞に変えられ、全て歌われている。

Je vole 飛び立ちます

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Francis Cabrel « Je t’aimais, je t’aime, je t’aimerai » フランシス・カブレル 「お前を愛してきた 愛してる 愛していく」

フランシス・カブレルは、都会化していないフランスの心を持ち続けているシンガー・ソングライター。親しみやすいメロディーに乗った歌詞は詩的で美しい。

« Je t’aimais, je t’aime, je t’aimerai »は、第一義的には、自分の娘への愛を歌っているのだが、それを超えて、親の愛、より広い意味での人間の愛全体を歌っている。その歌詞はとても詩的で、メロディーが美しい。

題名の中のaimerの活用が半過去、現在、単純未来で、フランス語学習者には退屈な活用が、こんな風に使われるという生きた例になる。

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Jean-Jacques Goldman « Puisque tu pars » ジャン・ジャック・ゴルドマン 「君は去っていくから」 (Let’s talk about love)

ジャン・ジャック・ゴルドマンは、現代フランスでもっとも好まれる作詞・作曲家・歌手。
彼は素晴らしい歌をたくさん発表しているが、1988年の« Puisque tu pars »は、その中でも最高のものの一つ。

曲の内容は、コンサートの最後になかなか別れを告げられない観客に、ゴルドマンが語り掛けるもの。別れは決して悲しく辛いだけだけではなく、別れることが、他のところで別の出会いを見出す機会でもあるという。
歌詞はとても詩的で最初はよくわからないかもしれないが、何度も何度も曲を聴くと、忘れられないものになってくる。

ここで紹介する演奏は、2002年のコンサート・ツアーUn tour ensembleのフィナーレで歌われたもので、ゴルドマンはこのツアーを最後にコンサートを行っていない。その意味でも、« Puisque tu pars »に最も相応しいヴァージョンだといえる。

Puisque tu pars  君は去っていくから

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アンジェル Angèle  Bruxelles je t’aime

アンジェル(Angèle)はフランス語圏で最も人気のある歌手の一人。Quotidienでの、新曲”Bruxelles je t’aime”のライブとインタヴュー。

Angèle : “Bruxelles je t’aime” en live.
Pour célébrer la sortie de son nouvel album, « Nonante-Cinq », Angèle est sur la scène de Quotidien avec son titre déjà dans toutes les têtes « Bruxelles je t’aime ».

Angèle fête le succès de “Nonante-Cinq”.
Angèle est aujourd’hui la plus grande star francophone. À 26 ans, elle sort son deuxième album, « Nonante-Cinq », sorti un peu plus tôt que prévu pour cause de Covid. Confinée chez elle alors qu’elle devait fêter son anniversaire, la chanteuse a fait la surprise à ses fans de dévoiler « Nonante-Cinq » avec une semaine d’avance. Résultat : l’album cartonne. 

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ザズ 言葉を聞かせる歌手 Zaz  chanteuse à textes

Zazはデビュー以前にはモンマルトルの丘で路上パフォーマンスをしていたと言われている。その時の映像も残っているが、実に楽しそうで、聞く方まで楽しい気持ちになる。
また、言葉を聴衆に届けるシャンソンの伝統を告ぐ歌手と言われ、エディット・ピアフのカバーなどもしている。

デビューCD「Zaz」の最初に入っている「通り過ぎる人々(Les Passants)」を、モンマルトルの路上で歌っている映像を見ると、Zazがどんな歌手か一目でわかる。

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ステーシー・ケントがフランス語で歌う「パリの詩」 Stacy Kent, Raconte-moi…

アメリカの女性ジャズ・ヴォーカリスト、ステーシー・ケントがフランス語で歌ったアルバム「パリの詩(Raconte-moi)」は、外国人が歌っているとは思えない、きれいなフランス語。選曲もよく、とても聴きやすい。
フランス語の初学者がフランス語に親しむために最適のアルバムかもしれない。
その中から何曲か聴いてみよう。

「冬の庭(Jardin d’hiver)」

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The Voice  音楽オーディション番組

The Voiceは、フランスでは2012年から始まった音楽オーディション番組。
現在では、大人だけではなく、子供が参加するThe Voice Kidsもある。
https://www.tf1.fr/tf1/the-voice
https://www.tf1.fr/tf1/the-voice-kids

参加者の歌だけではなく、プロフィルの紹介や審査員のコメントなどあり、フランス語の音やリズムに親しむには、ちょうどいい番組になっている。

印象に残っている歌手が最初に登場した時の様子と、その後の活動の中から一曲選んで聴いてみよう。

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