アポリネール 「大道芸人たち」 Apollinaire « Saltimbanques » 新しい芸術に向けて

1913年に出版された『アルコール(Alcools)』に収めらた「大道芸人たち(saltimbanques)」は、ギヨーム・アポリネール(Guillaume Apollinaire)による’芸術家の肖像’あるいは’芸術観’を表現した詩だと考えられる。

一行8音節の詩句が4行で形成される詩節が3つだけの短い詩。
韻の連なりはAABBと平韻。AAは男性韻、BBは女性韻と非常に規則的。
非常に簡潔な詩の作りになっている。
唯一の特色は、『アルコール』の他の詩と同じように、句読点がないこと。

内容に入る前に、詩の音楽性を感じるため、意味にこだわらずに朗読を聴いてみよう。

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アポリネール 「ミラボー橋」の美を探る Guillaume Apollinaire « Le Pont Mirabeau »

ギヨーム・アポリネールの「ミラボー橋」« Le Pont Mirabeau »(1913)は、作者であるアポリネールと恋人のマリー・ローランサンの恋愛が消え去っていく哀しみを、セーヌ河の流れに例えて歌った恋愛しとして、今でもよく知られている。

この詩のベースにあるのは、人間の思いにもかかわらず、時は流れ去ってしまい、二度と戻って来ないというテーマ。(La fuite du temps)

そのテーマの中で、16世紀のロンサールはCarpe Diem(今をつかめ)という意識から美を生みだし、19世紀のラマルティーヌは過去に対するメランコリックなあこがれから美を生み出した。
では、20世紀初頭のアポリネールは、どのように美を作り出したのだろうか。

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