
「最近、自分の顔が自分だと思えない時があるけれど、なぜ?」という質問を受けた。確かに、鏡に映った顔を見ながら、自分がこんな顔をしていたのかなあ、などと思うことがある。
そこで、自分で自分を認識するとはどういうことか、少しだけ考えてみた。
私たちは五感を使って外の世界を感じている。それらの感覚の中で、触覚、味覚、臭覚では、自分を感じ取ることはできない。
手で自分を触った時、触られていることは感じる。自分で自分を触っていることは分かる。しかし、手の感触だけで、自分自身を触っているのか、他の人を触っているのかは分からない。
自分を舐めたときの味も、自分の匂いも、他の人とはっきりと区別はつかない。
ということは、自分を自分だと感じ取る感覚は、聴覚と視覚ということになる。
そして、この二つで感じ方に差があることに、私たちは気付いている。
自分の声の録音を聞く時、なんとく違和感を感じる。自分の声ではないような感じがする。
鏡に映った自分や、写真の中の自分を見る時、多くの場合、それが自分だと分かる。声と同じような違和感を感じることは少ない。
その違いはどこから来るのだろう?



