途轍もなく美しい詩句 マラルメ「乾杯」 Mallarmé « Salut »

ステファン・マラルメは非常に難解な詩を書く詩人。
しかし、その詩句は非常に美しい。乾杯(« Salut »)もその一つ。

パーティーの最初にシャンパンで乾杯をすることがある。
その時、グラスに目をやると、シャンパンの細かな泡がびちびちと跳ねていたりする。その状況を思い描き、最初の4行の詩句を読んでみよう。

Rien, cette écume, vierge vers
À ne désigner que la coupe ;
Telle loin se noie une troupe
De sirènes mainte à l’envers.

シャンパンの泡はすぐに消えていまう、何でもない存在rien。
しかし、近くに寄って見ると、波の泡écumeのようにも見える。
この詩句versは、まだ何も書かれていずvierge、
ただ杯la coupeを指し示しているdésignerだけ。
その泡が、ちょうどtelle 海の向こうの方でloin溺れかかっているse noye 人魚たちsirènesの一団une troupeのように見える。
そのたくさんのmainte人魚たちsirènesは、逆さまにà l’enversになっている。

シャンパングラスの泡を見て、逆さまになった人魚を思い描くのが楽しいだけではなく、このフランス語の詩句の音楽性は本当に素晴らしい。
美しい!!!
この最初の4行はとりわけまろやかで、繊細なシャンパンの味わいがある。

フランス語の美を感じるためには、やはり音が大切。
「ポンヌフの恋人たち」の主演Denis Lavantの朗読を聞いてみよう。
https://www.youtube.com/watch?v=IEoL7LgYItc

この4行詩から、新しい出発が始まる。

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