弥生のヴィーナス もう一人の美女

縄文の美女とはまったく違う美を表現した美しい埴輪がある。縄文のヴィーナスに対抗して、弥生のヴィーナスとさえ呼びたいほど美しい女性の像。
https://bohemegalante.com/2019/02/17/dogujomon/

盛装女子、伊勢崎市豊城町横塚

縄文時代と同じように丸顔で、おちょぼ口。しかし、鼻はある程度大きく、とりわけ目は大きく、垂れている。
体つきもバランスがとれ、どこかの部分が極端に強調されることはない。
この埴輪は、弥生時代の美意識を見事に表現している。

弥生時代の美意識が縄文時代に発達した美意識とはまったく違うことは、二つの時代の土器を見れば即座に明らかになる。

火焔型土器、馬高遺跡出土

火焔型の縄文土器。実用的な目的を超えて、装飾それ自体が目的となっている。この土器は情念的な力強さを発散している。

壺形土器、久ヶ原出土

壺型の弥生土器。装飾性は控えめになり、実用性と装飾のバランスが取れている。そのために、左右の均整が取れ、穏やかな感じがする。

弥生のヴィーナスには申し訳ないが、もう一人の美しい埴輪に目を移そう。

腰かける巫女、大泉町古海

東京国立博物館のHPには次の様な解説がある。
両肩に襷を掛け,意須比と呼ばれる右前合わせの衣に,幅広い帯を締める。 髪は島田髷に結い,輪状の髪飾りをつける。二重の頸玉・足玉に,手玉・耳飾と盛装し,左腰には鈴鏡と香袋を帯にとめる。 腰掛けは古墳に副葬される石製品や埴輪の椅子に似ており,この埴輪が神に仕える神聖な巫女を表現したものであることを窺わせる。
https://www.tnm.jp/modules/r_collection/index.php?controller=dtl&colid=J21160

縄文的なものは、日本に最初に根を下ろした南方系アジア人な美意識。
弥生的なものは、東アジア文化圏に日本が組み込まれ、中国、朝鮮の王朝美術と融合してからの、北方系アジア人の美意識。
この二つの美意識が、日本的美の根源にあると考えられる。

縄文と弥生の二つの美は対照的で、対立しているように見える。しかし、具象的、写実的ではなく、抽象性が強いという側面では、共通している部分もある。土偶も埴輪も、呪術的な力を秘め、象徴性の強い表現だといえる。

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