天空の城ラピュタ 生命の根源への旅

「天空のラピュタ」で宮崎監督が目指したのは、パズー少年を中心にし、愉快で、血わき、肉おどる、古典的な冒険活劇だという。この映画の企画書には、次のような言葉が書き留められている。

パズーが目指すものは、若い観客たちが、まず心をほぐして楽しみ、喜ぶ映画である。(中略)笑いと涙、真情あふれる素直な心、現在もっともクサイとされるもの、しかし実は観客たちが、自分自身気づいていなくても、もっとも望んでいる心のふれあい、相手への献身、友情、自分の信じるものへひたむきに進んでいく少年の理想を、てらわずにしかも今日の観客に通じる言葉で語ることである。

パズーは何の見返りを求めることなく、シータを助ける。その過程で、空の海賊ドーラ一味と奇妙な友情を結ぶ。さらに、ラピュタの支配を通して世界を征服しようとするムスカの野望を挫くため、全力を尽くす。
こうして、物語はパズーとシータを中心に、空中海賊や帝国軍から逃げたり、戦ったりという活劇を中心に進行する。

冒険の主人公パズーは、何か特別な能力を持った少年ではない。海賊や軍隊と戦う武器もない。その意味で彼にはヒーロー的な要素が欠けている。実際、ごく普通の少年。
宮崎監督は、何も特別なものを持っていない、スター性のない少年をアニメの主人公にする難しさを口にしている。

しかし、主人公がどこにでもいる普通の少年だからこそ、素直な心で目標に到達しようと懸命に前に進む姿が鮮明になる。「自分の信じるものへひたむきに進んでいく少年」は、観客の心をストレートに打つ。

「天空のラピュタ」が最初にターゲットにする観客は、小学校4年生とされている。彼等はパズーの冒険を見終わった後、すかっとした気分を味わうことだろう。
その意味でこの映画は、典型的な冒険活劇といえる。

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Google フォト

Google アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

%s と連携中