パレストリーナ ルネサンス音楽の美

ルネサンス期の音楽は、破綻がなく、調和がとれ、耳に心地よく響く。その中でも、パレストリーナ(Giovanni Pierluigi da Palestrina)の曲は、絵画でいえば、ラファエロの母子像を思わせる美しさを持っている。

このラファエルの1枚を見ながら、「キリエ」を聞いてみよう。

ルネサンス芸術は知的に全てが整えられ、破綻がない。全てが調和し、円やかな印象を与える。それがどのように出来ているのか知ることで、こうした作品を理解し、よりよく味わうことができる。

1)ポリフォニー(多声音楽)
「ポリ」は「複数」、「フォニー」 は「声部」とか「パート」という意味。確かに、同時に複数のパートが重なっている。

2)対位法
複数のパートの中で、それぞれのパートが対等であり、独立性を持った旋律を奏でている。その際、各声部のメロディが大切になる。

3)通模倣様式 Imitation
通模倣様式では、ポリフォニーをさらに発展させ、ソプラノ、アルト、テノール、バスの各声部が、お互いに旋律を模倣しあいながら歌う。
複数の旋律が重なり合うことで、複雑な模様の編み物が編み上がる。

4)ハーモニー(和音)
ドミソ、ドファラ、ソシレといった、きれいに響く音の重なりを中心とすることで、美しいハーモニーが生み出される。

こうした規則に基づいて生み出される音楽からは、均整の取れた形式美が生まれ、曲全体の構成に安定感が与えられる。
自然で流れるような旋律が重なり合い、豊かで響きのよいハーモニーが響く。
各声部は複雑にからみあっているため、神秘的な雰囲気が醸し出される。

バチカンの入り口を入るとすぐ右手に見えるミケランジェロの傑作「ピエタ」。

この像を前にして、パレストリーナの「スターバト・マーテル(悲しみの聖母)」を聞いたら、一気にルネサンスの美の世界に没入することができるだろう。
磔刑になった我が子イエスを思う母マリアの悲しみ。その深い感情をこの上もなく美しく表現している。

パレストリーナ ルネサンス音楽の美」への1件のフィードバック

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Google フォト

Google アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

%s と連携中