
ジャズ・ピアニスト、トミー・フラナガンが、病気で入院していたエラ・フィッツジェラルドに捧げたアルバム« Oh Lady, bee good, for Ella »は、心温まる演奏に満ちている。
エラは病室で、トミーのCDをずっと聞いていたという。
最初に、本当に美しい« Alone too long »を聞いてみよう。「長すぎる孤独」は淋しい題名だが、しかし、この演奏は孤独を美しい時間に変えてくれる。
エラに元気になって欲しいという思いを込めた曲、« Oh, Lady Be Good !»
トミー・フラナガンは、10年ほどの間、エラ・フィッツジェラルドの歌の伴奏をしていた。
その間に録音された数多くのレコードから一曲。
スイスのレマン湖畔にあるモントルーで行われた1977年のジャズ・フェスティヴァルでの演奏から、« Day by day »。
エラがトミー・フラナガンを曲の途中で紹介している声が聞こえる。
エラは晩年、糖尿病を患い、失明し、最後は両足の切断を余儀なくされた。そんな中で、トミーが捧げてくれたアルバムは、どんなに心の慰めとなったことだろう。
同じライブからもう一曲。トミーのピアノがとても美しい
もう一度、« Oh ! Lady, bee good »に戻って、ガーシュウィンの曲、«Isn’t it a pity ? »
入院中のエラに対する愛情に満ちたトミー・フラナガンの演奏は、聞く者の心を暖かく和らげてくれる。