「白雪姫(Snow White and the Seven Dwarfs )」は、1937年にディズニー・アニメーション・スタジオが作成した、世界最初の長編アニメーション映画。
1937年、つまり昭和12年に、これほどモダンで洗練されたアニメが作られたことには、驚くしかない。
「いつか王子様が(Someday My Prince will come)」は、そのアニメーションの挿入歌。
He was so romantic, I could not resist
Some day my prince will come
Some day we’ll meet again
And away to his castle we’ll go
To be happy forever I know
Some day when spring is here
We’ll find our love anew
And the birds will sing
And wedding bells will ring
Some day when my dreams come true
このロマンチックな曲は、多くのジャズの演奏家によって取り上げられていて、ジャズの幅広さを感じさせてくれる。
最初に聞いてみたいのは、デーブ・ブルーベック・カルテットの演奏。
ブルーベックのピアノは原曲のメロディーを活かしながらジャズの世界へと聞く者を引き込み、ポール・デスモンドのアルトサックスが甘く軽やかに変奏していく。
マイルス・デイビスは何度も録音しているが、Someday My Prince will comeがアルバム・タイトルとなっている、1961年のコロンビア版を聞いてみよう。
ウィントン・ケリー(p)、ポール・チェンバース(b)、ジミー・コブ(ds)というリズム隊の演奏から始まり、期待感が盛り上がったところに、マイルスのミュートが入る出だしは秀逸。
まったく同じリズム隊が、管楽器なしで演奏している、ピアノ・トリオの演奏。
ウィントン・ケリーのピアノだけでなく、ベースもドラムスも軽快で、とても楽しい演奏。
ピアノ・トリオなら、やはりビル・エヴァンスははずせない。
ベースはスコット・ラファロ。
エヴァンスの絶頂期の演奏であることは、全てのジャズファンが認めるところだろう。タッチがしっかりして芯があるピアノでありながら、リズミカルかつリリカル。
チェット・ベーカーのトランペットはいつものようにとてもリリカル。
ジョー・パスの演奏は、ジャズ・ギターの最高峰の一つと言っていい。
曲のよさとギターのよさを最大限に聞かせてくれる。
シダー・ウォルトンのピアノ・ソロは、すっきりとして屈託がない。いつ聞いても清々しい。
フィル・ウッズのアルト・サックスと、エンリコ・ピエラヌンツィのピアノによるデュオは、まったく新しい感覚のジャズ。
不思議なことに、ジャズ歌手がこの曲を取り上げることは少ない。
比較的オーソドックスなエルネスティーヌ・アンダーソンの歌う「ある日王子様が」。
カッサンドラ・ウイルソンの「ある日王子様が」。