フランス語学習が嫌いになる理由 —— もう一度フランス語を

フランス語の勉強を嫌いするのはとても簡単。

1)一つ一つの音の発音にこだわり、日本語の発音にないR、母音、鼻母音の音を繰り返し発音させる。
2)動詞の活用を覚えさせる。(英語なら三人称単数にsをつけるだけ。フランス語とのギャップは大きい。)
3)単語の男性・女性の区別や、それに応じた冠詞や冠詞の形の変化にこだわる。

せっかく英語と違う新しい言語を勉強し始めたというのに、発音できない、覚えることが多い。
できない、わからない、面倒、難しいとなったら、普通はフランス語を学ぶのが厭になる。

それでも勉強を続けるとしたら、フランスの芸術や文化、ファッション、グルメによほど惹かれているか、あるいは苦労せずにフランス語の発音ができる人や、暗記が苦手でない人だろう。

文学好きの人間は、フランス語学習の入り口で、知的な興味と実際の学習のギャップに嫌気がさし、投げ出してしまうことが多いようだ。

大学のフランス語科、フランス文学科、第二外国語でフランス語を勉強した中で、どれだけの数の人たちがある程度の運用能力をつけることができたのだろうか。数字化すれば、驚くほどの数だろう。

その一方で、せっかく勉強したのだから、フランス語で簡単な文章を読んだり、多少フランス語をブラッシュ・アップしたいと考えている人も一定数いるに違いない。
そんな時、どのような意識で、フランス語学習に向き合っていったらいいのだろうか。

続きを読む

映画「オキシジェン」 メラニー・ロランとマチュー・アルマリック監督のインタヴュー

「オキシジェン」は、極低温装置内で目覚めた女性リズが、だんだんと酸素が枯渇していく中、自分は誰なのか、なぜ閉じ込められているのかを思い出そうともがく、という内容の映画。

主演したメラニー・ロランと、監督のマチュー・アルマリックが、映画について語るインタヴューは、とても面白い内容になっている。

続きを読む

ギュスターブ・フロベール生誕200年

2021年は、1821年生まれのギュスターヴ・フロベールにとって、生誕200年に当たる。
Quotidienで、フロベールや彼に関する出版物が紹介された。フロベールがフランスでどのように受容されているか知るにはいい機会になる。

個人的には、同じ年に生まれたボードレールと関連付けて欲しいような気もする。

Gustave Flaubert et le bovarysme

Cette année, on fête le bicentenaire de la naissance de Gustave Flaubert.
À cette occasion paraissent un album Pléiade sur l’auteur et « Le Monde selon Flaubert », de l’historien Michel Winock.
Deux moyens idéaux de mieux appréhender cet écrivain majeur du XIXème siècle. 

18世紀の時代精神 幸福を求めて

フランスの18世紀は、ルイ14世の治世が終盤を迎えるところから始まり、フランス革命からナポレオンの登場で終わりを迎える。
一言で言えば、血縁に基づいた貴族の時代が終わり、ナポレオンという個人が能力を発揮して国家を支配できる時代が到来した。

こうした変化は、16世紀において「人間」という存在に価値があるという認識が行われ、17世紀になると全ての人間に「理性」が備わっているというデカルトの確認に続いて、実現されたのだと考えられる。
そして、18世紀に確立した人間観や世界観は、21世紀においても支配的な時代精神であり続けている。

その精神の根本にあるのは「幸福」の追求であり、「個人の自由」、「科学の進歩」等がその手段を支える思想となる。
しかし、興味深いことに、合理主義精神や科学主義が中心となる中で、「理性」よりも「非理性」に、「文明」よりも「未開」や「自然」に、「進歩」よりも「原初」に、「科学」よりも「神秘」や「超自然」に、価値を置く精神性が忘れられることはなかった。

続きを読む

ラ・ファイエット夫人 『クレーブの奥方』 恋愛小説の危険

恋愛を扱った小説を読む時には、とりわけ注意を要することがある。
一般に恋愛は人間にとって普遍的な感情であると思われているので、小説が書かれた時代や国民性を考えることなく、読者自身の持つ恋愛観を投影し、小説を通して自分の恋愛に関する想いを読み取るだけに終わってしまう可能生がある。

マノン・レスコーがファム・ファタル(恋愛によって男性を堕落させる魅力的な女性)であり、ボヴァリー夫人が平凡な結婚生活に退屈し、不倫を繰り返して最後は自殺する女性といった平凡な類型を当てはめる。マノンに翻弄される男の愚かさを語ってみたり、それほど愛されるマノンに憧れたり、平凡な夫であるシャルル・ボヴァリーに退屈して結婚外の恋愛を憧れる女性に共感したり、やっぱり不倫はダメだなどといった感想を抱く。

François Clouet, Elisabeth d’Autriche

ラ・ファイエット夫人(Madame de La Fayette)の『クレーブの奥方(La Princesse de Clèves )』は、しばしばフランスで最初の恋愛心理を分析した近代小説と紹介されることがあり、恋愛感情を繊細に分析した小説といった先入観を持って読まれることが多い。

しかし、恋愛小説をそうした視点を通してだけ読むのであれば、芸能人の恋愛ネタと変わるところがなく、わざわざ古い時代のフランスの小説に手を出す必要もない。

せっかく『クレーブの奥方』を読むのであれば、読者自身の恋愛観を直接投影するのではなく、17世紀後半のフランスで書かれた作品であることから出発した方が、読書の楽しみはより大きなものになる。

続きを読む

ナポレオンの死後200年 歴史が政治と関係を持ち続ける国フランス

2021年はナポレオンの死後200年の年。フランスでは、200年を祝うのかどうかが政治問題化している。
日本では、歴史上の人物をどのように扱うのかで政治問題にすることはない。
そうしたことが、日本とフランスの文化の違いを垣間見させてくれる。

Bicentenaire de Napoléon : le numéro d’équilibriste d’Emmanuel Macron

Cette semaine, on célèbre le bicentenaire de la mort de Napoléon. Mercredi, Emmanuel Macron se rendra à l’Institut de France pour participer aux commémorations. 
C’est la première fois depuis Georges Pompidou qu’un président de la République va assister à ces célébrations. 
Et ça embarrasse les membres du gouvernement. 

続きを読む

ピエール・エルメ お菓子作りへの情熱を語る

日本では、マカロンで有名なピエール・エルメの写真を見ることはあっても、話をするところを見る機会はあまり多くない。フランス語がわかってもわからなくても、お菓子作りに興味のある人には興味深い映像。

Amour de la pâtisserie

Pierre Hermé, pâtissier le plus célèbre du monde et Jean-François Piège, doublement étoilé au guide Michelin, comptent parmi les plus grands professionnels de la gastronomie française. 

Tous deux membres du jury du « Meilleur Pâtissier » sur M6 en compagnie de Cyril Lignac, ils sont sur le plateau de Quotidien pour nous parler de la situation des restaurants, de la réouverture prochaine des terrasses, mais aussi et surtout de pâtisserie et de gourmandise.

ピエール・エルメとジャン・フランソワ・ピエージュが審査員をするのは、お菓子作りのコンテスト番組 Le meilleur patissier。
https://www.6play.fr/le-meilleur-patissier-a-vos-fourneaux-p_15009