日本にいると、海外のニュースはアメリカの視点のものが主流なため、国際社会という言葉に代表される民主主義的で自由な思想が大部分の国々で共有され、その秩序に従わない全体主義的な国家が少数存在しているという印象を受ける。
しかし、そうした世界観はすでに崩れつつあり、とりわけアフリカなどでは、かつての植民地支配への反動もあり、脱西欧化が進みつつある。
国際関係を歴史的に研究しているトマ・ゴマールのインタヴューからは、世界が幾つかのブロックに分かれ、一元的な視点では捉えられない現実を理解することができる。
Selon Thomas Gomart, le directeur de l’Institut Français des Relations Internationales, la France doit assimiler la vision des pays avec lesquels elle entretient des relations essentielles tout en n’omettant pas le contexte global : le dérèglement climatique, la crise énergétique, les guerres et les innovations technologiques.
Dans son livre, “Les ambitions inavouées des s grandes puissances”, il aborde également la guerre en Ukraine, les stratégies du président turc Recep Tayyip Erdogan, de l’ayatollah Ali Khamenei et du prince héritier saoudien Mohammed Ben Salmane.
アフリカとフランスとの関係で言えば、2022年にはマリでフランス軍が撤退し、2023年1月には、ブルキナファソでも、フランス軍に対して同じ要求がなされた。
両国とも、イスラム過激派との戦いの中で、フランスではなく、ロシアの民間軍事会社ワグネルへの依存を高める方向へと傾いたのだった。
こうした動きを、ロシアの陰謀といった一元的な視点で捉えることは、国際社会という一枚岩の世界観が存在しているという幻想の上に成り立っていると言わざるをえない時期に来ている。
21世紀の世界は、欧米の価値観とは違う価値観を持った国家が、徐々にではあるが確実に台頭しつつあると考えた方がいいだろう。