古典が失われた時代 Perte de la culture classique

個人的な感想になるが、とりわけ2000年を過ぎた頃から、古典とか過去の名作が顧みられなくなってしまったように思われる。

文学的な古典作品、フランス文学で言えば、フロベールやバルザックを読もうとしないし、手に取ったとしても読めないという若者が多い。
新しく高校で国語を教え始めた先生が、夏目漱石の小説を抜粋以外で読んだことがない、つまり一冊を通して読んでことがない、という例まで耳にしたことがある。

こうしたことは文学に限ったことではなく、映画でも同じこと。
映画好きだと自称する若者でも、小津安二郎の名前を知らなかったり、「東京物語」や黒沢の「7人の侍」さえ見たことがないという。

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コロナウィルスに関する社会学的な視点

日本ではなかなかコロナウィルスに関する冷静な分析を目にすることがない。メディアで流れる情報も、視野がかなり限定されたものに限られる。

4月22日のQuotidienに出ていた社会学者Gerald Bronnerは、ウィルスに関して氾濫する噂やニセの情報を、説得力のある言葉で説明していて、非常に興味深かった。

https://www.tf1.fr/tmc/quotidien-avec-yann-barthes/videos/invite-on-parle-psychose-fake-news-et-theories-du-complot-avec-le-sociologue-gerald-bronner-77773142.html

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ジャズ クラシックをノン・ストップで 

自宅で仕事をするとき、BGMをかけている人も多いだろう。
そんな時、ジャズやクラシックを無料で聞き続けられるサイトがある。
ジャンル別だったり、楽器別、作曲家別など、自分の好みで選ぶことができる。

ジャズ
https://www.jazzradio.com/#popular

クラシック
https://www.classicalradio.com/#popular

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ラ・フォンテーヌ 熊と庭の愛好者 La Fontaine « L’Ours et l’amateur des jardins » 閉じこもりと触れあい

コロナウィルスのためにフランス中で外出禁止例が出され、多くの人が必要な場合以外、家から外に出ない状態(confinement)が続いている。(2020年3月27日現在。)
そんな時、ファブリス・ルキーニがネット上で、ラ・フォンテーヌの寓話「熊と庭の愛好者」L’Ours et l’amateur des jardinsを朗読したことが話題になっている。
https://www.actualitte.com/article/monde-edition/confinement-fabrice-luchini-nous-lit-les-fables-de-la-fontaine/99871

この寓話、フランス的なユーモアと皮肉がたっぷりで、実に面白い。

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対コロナウィルス 他動詞的国民性と自動詞的国民性

3月16日、フランスの大統領エマニュエル・マクロンが、国民に向けてテレビ演説を行い、外出禁止を含む様々な措置を打ち出した。

この演説の中で、マクロンは何度も、「私たちは戦争状態にある。」という言葉を使っている。
これは、コロナウィルスを敵に見立て、その敵に対して戦うという姿勢に基づいた表現だと言える。

日本では、この表現はかなり違和感があり、多くの新聞では、マクロンの演説を報道するとき、「戦争状態」という言葉をカッコ付きにして、強調している。

フランスと日本における表現の違い、そして物事に取り組む際の姿勢の違いは、他動詞表現を基本とするフランス語と、自動詞表現を好む日本語の違いと対応しているのではないだろうか。

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コロナウィルスについて

コロナウィルスが猛威を振るっているが、それ以上に人の心を占領しているのは、コロナウィルスについての情報の氾濫。
Gérald Bronnerが、社会学的な視点からこの現象を分析している。
フランス語を理解できる人には、ぜひこのインタビューを聞いてほしい。

https://www.tf1.fr/tmc/quotidien-avec-yann-barthes/videos/invite-on-decrypte-la-peur-autour-du-coronavirus-avec-le-sociologue-gerald-bronner-55355230.html

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1980年代の青春 自由と苦しみ 尾崎豊

1980年から1990年代に青春時代を過ごした人は、2010年代には40歳を超え、50歳台になり、大学生の子どもを持つ親になっていることも多い。
そして、大学生というフィルターを通して二つの世代を見るとき、何か大きな違いを感じる。
今、尾崎豊の歌を聴くと、その違いがはっきりとわかる。

「15の夜」には、校舎の裏、煙草を吹かし、盗んだバイクで走り出し、友だちと家出の計画を立てる等という歌詞がある。

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万引き家族 言葉と現実

「万引き家族」は、親の死亡届を出さず、年金を不正に受給していた家族の実話に基づき、是枝裕和監督が家族のあり方を考えた映画だという。(wikipedia)

現在、実の親による子どもの虐待が度々ニュースで報じられる中、血の繋がらない大人と子どもが集まり、家族のように暮らす人々を描いたの映画。

家族は血が繋がっていると考えるのが普通の考え方。血縁関係にない人々がいかにも家族のように暮らしても、疑似家族にしかならない。家族のまねごと?

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フランスの大きな社会問題  夫の暴力で死亡する女性

Quotidienという番組で、夫の暴力で死亡する女性の数が、フランスでは非常に多いという話題を扱っていました。今年に入って、61人の女性が死亡しているそうです。

https://www.tf1.fr/tmc/quotidien-avec-yann-barthes/videos/mesures-d-eloignement-c-bidon-temoignage-de-laura-victime-de-violences-conjugales.html

フランス映画を見ていると、しばしば普通の人が非常に暴力的な場面に出会います。こうした面も、フランスの現実なのでしょう。